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旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

ブエノスアイレスへと:自由を手に入れるということ

今週の日曜日、ブエノスアイレスへと発つ。

なんだろう、このブルーな気持ち。

ブエノスアイレスのこと、好きか、嫌いか?」の二択で質問されたら、全精力を振り絞って、「好き」とはなんとか答えるだろう。

国や自分の人生がうまくいかなければ、すべてを政治のせいにする幼稚な人々が住む国、我が心の故郷、アルゼンチン。

最初は彼らのことを「ただのバカ」と思っていたが、最近はもう少し穏やかな気持ちになり、「ただの幼稚園児」と思えるようになってきた。

幼稚園児相手に、大人が本気で相手をしても仕方がない。

こんなことがあったり。

職人のいない国:アルゼンチン

あんなことがあったり。

飽きない国アルゼンチン:地球の裏側より愛を込めて

本当に幼稚園児に囲まれて生活すると、大人は毎日飽きません。でも、死ぬほど疲れるけどね。

あとけっこう絶望的だと思える光景は、世界を代表するファーストフード、マクドナルドに行く時です。

人件費は安いからか、注文するために並ぶと、カウンター越しには10人くらいのアルゼンチン人がたむろっているわけです。でもそのうちの8人くらいはスマホや楽しげな会話に興じて、じつに楽しそう。

そうそう、よくおもちゃや自分たち同士でわいわい騒いでいる幼稚園で見る光景です。

でもね、カウンターのこっちがわはもう長蛇の列。

一向に進まない、悲しいほどに絶望的に進まない。

ファーストフードなのに、死ぬほど待たせられるので、なぜかスローフードという悲しい笑い話になるくらい。

彼らは幼稚園児のくせして、政治や経済の話をよくしたがるのですが、口動かす前に、体動かせと心底思う。あんたらが文句言ったところで変わらないものは変わらないのだから、変えられるものから変えろと思う。

でも、確かに嫌いではない。

日本全国どこへ行っても、画一的なサービスを受けられてしまうので、むしろそっちのほうが怖いと思う。

人間って、自由にさせると、ほんとうにろくでもない生き物だと心から思う国、それがアルゼンチン。幼稚園児がみな幸せのように、アルゼンチン人も幸福指数はやたらと高い。だって、幼稚園児だからね。

ブエノスアイレス滞在が2年目の終わりを迎える頃、「どうしてブエノスアイレスに来たの?」という質問には「忍耐力を学びに」と自然と答えるようになった。

アルゼンチンの入国目的に、観光とかそういう軽率なことを書かずに、「忍耐力」と書こうかと真剣に考えている。ただひとつ言えることは、ブエノスアイレスに2年住んだからこそ、メキシコシティでの生活がとても楽しいものなったということだ。

これがいきなりメキシコシティに来ていたら、メキシコシティ以下の生活に落とすことが出来ないので、今後、住む国を選ぶ基準が随分と違っていただろう。最初にアルゼンチンという国を選んだこそ、本当にタフになり、そして自由になった。

人はなにかひとつ苦労をすれば、またひとつ自由になれる。

そして、たぶんブエノスアイレスに行ったら行ったで、その生活をまた楽しむことができるだろう。それがそうして手に入れた自由というやつだ。

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