Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

タンゴの国からサルサの国に思いを馳せる

近頃は真夏にも関わらず、すっかり気温が低くなって過ごしやすいと思っていたが、また酷暑に戻り、今日は気温35度の灼熱のブエノスアイレスだ。

各所で停電も続いているようだが、今のところ自分の住んでいるエリアは大丈夫だ。ただ来週からは雨が続くらしく、また気温も下がるだろう。

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翻って、メキシコシティの気候を考えてみる。

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一年間、見事に代わり映えしないの気候だ。7月から9月までは本当に毎日雨が降るので、それだけが悩みの種だ。基本、常に長袖で一年中過ごせる。

ブエノスアイレスに夏はよく似合う。

冬も真っ青な空が広がっているので、気持ちがいいが、夏の青い空は格別だ。南半球の空は、北半球の空よりは雲が少ないような気がする。気のせいだろうか。

タンゴ馬鹿の外国人だけではなく、普通の外国人もなんとなく惹きつける魅力が確かにこの街にはある。街自体の魅力だけならば、メキシコシティよりもある。

ただビジネスチャンスや友達とのいい出会いを考えると、メキシコシティのほうが断然いいとは思う。メキシコシティでは黙っていても、ひっきりなしにメキシコ人から色々な催し物に誘われるが、ブエノスアイレスではそんなことはない。

ただ2、3ヶ月住むだけならばなんのストレスもなく快適に過ごせる街だ。

それを2年も3年も続けると、色々と限界が見えてくるのも事実だが。

メキシコシティで苦労して、メキシコ訛りのスペイン語を話すようになったのに、ブエノスアイレスに戻って2ヶ月、もうすっかりアルゼンチン訛りのスペイン語に戻ってしまった。さすがに2年も親しんだ訛りのなので、こちらのほうが話しやすいということもある。

そのせいか、よく「ブエノスアイレスに住んでいるのか?」と訊かれる。

答えるのは難しい。

厳密には住んでいないし、また厳密に言うと、どこにも住んではいないことになる。メキシコシティに住んでいるとも言えないし、ブエノスアイレスに住んでいるとも言えない。ましては日本には全く住んでいない。

この1年はこのライフスタイルでいこうかと思っている。

去年、世界一周してみて思ったが、やはり自分は全く観光に興味はないし、その土地にしばらく居て、現地の人々と交流することが一番楽しい。その意味ではメキシコシティの滞在は大成功だったし、2年に及んだブエノスアイレスの生活にもある程度満足している。

去年までは、メキシコなんて「マスクを被ったプロレスラーがいる国」程度の認識だった。それがいまやメキシコと聞くだけで少し懐かしくなる。そこで会った人々の顔や思い出が次々と頭に浮かんでくる。

このあいだブエノスアイレスでタクシーに乗ったら、ひょんなことから運転手がメキシコシティに5年住んでいたことが判明して、話が盛り上がった。

「あの国はほんといつでもサルサ踊っているよな」

「アルゼンチンではシーフードは高いけど、メキシコはほんと安くてうまいシーフードが多い」

などとメキシコ話に話が咲いた。

タンゴの国にいて、サルサの国に思いを馳せるのはなんだか不思議な感じだ。

いずれにせよ、ラテンの国では人々はいつも踊っている。

あと2週間もすればまたサルサの国に逆戻りだが、それまでは目一杯タンゴを満喫しておこうと思っている。