Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

これからのことと、ワンズワードの未来について

オンライン英会話スクール「ワンズワードオンライン」は2009年12月にスタートしている。 創業当初からレアジョブを始めとした一ヶ月5000円で毎日25分のレッスンを受講できる格安オンライン英会話スクールが市場を独占してきた。

だが、なかには優秀な先生から質の高いレッスンをそれなりのコストを払って受講したい英語学習者も日本に200、300人程度はいるのではと思い、それでも事業が回るようにデザインして、立ち上げた。 (もちろん、格安オンライン英会話スクールにも優秀な先生はいる。だが膨大な数の先生から探す必要がある。ワンズワードオンラインのポリシーは全員が訓練を受けた優秀な先生であるという点だ)

2010年から生徒様は嬉しい事に一気に増えて、260人程度までは増えた。 しかしながら、それからは中々伸び悩み、少しづづ生徒数も減ってきて、今では210人程度となっている。

「質の高いレッスン」と「1レッスン100円」と謳う2つのオンライン英会話スクールがあれば、90%程度の人は後者にいくだろう。そこで昨年度から新しい施策として、ブエノスアイレス在住のネイティブ・スピーカーの先生を増やして、違うバリューを打ち出した。

これはある程度功を奏し、また違った顧客を獲得は出来た。

そして、今年からはスペイン語版、ポルトガル語版、それに英語版のオンライン英会話スクールを立ち上げた。すでに市場が格安オンライン英会話スクールで埋まっている日本の市場では将来的により厳しくなると思い、海外に活路を見出すためだ。

さらに口コミだけで多くの生徒を獲得しているフィリピンの語学学校である「CNE1」と提携させていただき、両社の生徒様により良い英語学習環境を提供し、そこでまたお互いにとって新しい顧客層の獲得を目指している。

「利益の共有」をミッションとしているソーシャルビジネスを事業の根本においているので、全体の収入の60%程度は先生の給料になっている。そして10%程度を税金とそれに伴う諸費用に費やし、マネージメントとPAYPALのコミッションに10%、残りの20%程度で事業を回していかないといけない厳しい世界ではある。 (無料トライアルレッスンとアベノミクスで円安にならなければ、もっと違ったものになったかもしれない)

事業家のほとんどはおそらく経営のことを24時間考えて、なにをしてもどこにいても、ずっと仕事のことは頭を離れることはない。別にそれがプレッシャーになるかというとそうではない。けっこうそれが楽しく、これからどうしようかと考えたり、問題が起きた時にどのように対処すればいいか考えるのはとても楽しい作業でもある。

経営というのは蜜の味かもしれない。 一度味わうと、辞められない魅力がある。

経営者は経営者同士しか友達になれないと言うが、たしかに自分の仕事内容を人に説明することは難しいし、理解してもらうこともまた難しい。 (だからこそ、CNE1との提携は個人的にとても嬉しい。尊敬できる経営者である井坂さんとの関係は大事にしていきたい)

「そんなに儲からないビジネスをやっていて楽しいのか?」と思われるかもしれない。 そもそも儲けようという発想があまりなかったというのが正直な感想だ。自分の目の前にある世界ぐらいは、公平で美しい世界にさせたいと思っている、それだけだ。

綺麗ごとだし、全くもって人からは理解されていないことも痛感している。 まあ、だからといって特に後ろめたいこともないし、秘密にしていることもない。

自分が想定している世界は、いずれはオンライン英会話スクールの先生たちは個人で営業をして、スクールというようなものは今後はどんどん減っていくのではということだ。それが3年で起こるかもしれないし、5年後からもしれない。だから、それまでにはある程度の規模を確保して、先生たちの給料へともっと還元出来るように組織を再編したい。

売上が増えれば、こちらの取り分も減らせるし、最終的には10%程度のコミッションで回せるようにしたいと思っている。いつも自分が使っているクラウドソーシングサービスである「Elance」と「Odesk」ぐらいのコミッションであれば、先生も生徒様もあまり気にせずに利用できるサービスであり続けることが出来ると思っている。 (両社ともにコミッションは10%。すでにこれらサービスがなければ事業が成り立たないくらい完全に依存している)

あらゆる人間は個人的な損得を抜きにして、より良い世界を後世に残していくべきだと思う。

そして、それを言って、説得力を持つのは成功者だけだ。 (別にビル・ゲイツみたいになる必要はない。そこそこ成功出来ればいいのではと思っている)

だからこそ、今の事業をもっと大きくしていき、他の事業も成功させて、こんな自分でも説得力を持って、それを言えるようになりたい。