Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

情によるビジネスについて:世界へはみ出す

諸々の理由であまり詳しく原因を書けないが、現在内部のマネージメントを見なおしている。 直近で言うと、新しくフィリピン側の管理者を増やして、ピーク時には常時スカイプで待機し、常にモニターをするようにしている。

今までも人を雇っていたが、今度は自分が直接探してきた人材を2名、それに当てている。ラテンアメリカからも生徒が入ってくるはずなので、いずれは24時間体制でモニター出来るようにしていくつもりだ。

これからフィリピンは台風の季節なので、きちんとモニターをして、対処していきたいと思っている。それに今までの改善点を含めて、自分で彼らのために研修書類を作って個人的に説明して、指導した。これで今後はオペレーションの効率は上がるはずだ。

そして、色々な内部的な大きな変更に伴い、先週からフィリピン在住の先生と1対1で話して、個人的にその理由を説明した。 思えば、創業当初は定期的に話していたが、それも先生の負担となるからという理由で辞めてしまった。 (正直、ボスと話して楽しいことなどあるのかと懐疑的だが、今回はどうしても直接話さないといけない理由があったので話した)

海外就職研究家のもりぞおさんがお薦めしていたので、金城さんの本を買って読んでみた。 とても面白い本だと思うが、正直この人は器が常人が想像できないくらいでかいので、素人は真似はしないほうがいいと思う。

ただ何点か、共感できる点があった。 それはビジネスの根本に「情」を置いていることだ。

なにしろ海外でビジネスの成功の秘訣が、「自分のために死んでくれる人材を見つけろ」だ。 これはアフリカという世界でも辺境の地で10年もの長い間、ビジネスを営んできた彼ならではの本音だろう。 (これだけ世界を旅歩いて、語学も達者な自分でも、アフリカとか一ミクロンも住みたいとは思わない)

一緒に汗水垂らして働いて、なにかあれば率先して彼らのために尽くす。 そうして、周りに強固な信頼の渦を作り、ビジネスもそのなかで行う。

簡単なようだが、とても難しいことだ。

今までも5年間、自分も情に頼る部分が大きかった。 創業以来、お世話になった開発会社も、結局のところ1人のエンジニアの方が「ワンズワードが好きだから」という理由で色々と無理を訊いてくれていた。

そうして、今年はサーバーを移転し、もっとビジネスライクなアメリカの開発会社に仕事を任せている。ある意味、全く情緒的なものはなく、仕事は淡々と進んでいく。

フィリピン側でも先生たちの情によって、自分が甘やかされてきた部分があると思う。 たしかにほかのオンライン英会話スクールと比べれば圧倒的に高い給料は払っているが、それだけでは居着いてもらえないだろう。

今回、彼ら一人一人と話して、そう感じた。

でも、逆にオンラインならではの悩みとして、「情」に頼るビジネスの限界も感じた。

もっと大きくするためには、組織としてプロにならないといけないと思う。→創業して、5年後に気付く自分もアホですが・・・・・ ただ一人一人と話して、思いがけない人が思いがけないことを考えたり、実行していたり・・・・特になぜかArlene先生に異様に感謝されたりして、こっちが戸惑ってしまった。

相手が常に目に見える状況にいて、話さなくても相手の行動や考えが読める環境であれば「情によるビジネス」は有効かもしれないが、今のような状況だと結局、不確定要素が多すぎるとは思う。だから、なるべく不確定要素を減らしつつ、常に対話はできる環境を整えていきたい。

あと金城さんの話にもあったが、ビジネスは所詮はゲームという考えにはとても共感が出来る。 お金ももちろん重要だが、それはただの要素でしかなく、それを利用して人を動かして、もっと大きな渦を作っていくことは楽しい。

正直、今の規模でこのままやっていくのは限界だ。 だから、個人的には情によるビジネスではなく、情を排した組織づくりをし、要所要所ではきちんと対話をして、彼らの意見を訊いていきたい。

そういえば、昔占い師に「あなたは情に厚すぎる。それが結局は人のためにはならない」と言われたことがある。なるべくビジネスライクに徹していないと、最終的にはただ甘やかしているだけという事態に陥るからだろう。金城さんみたいに常にどこかで自分と他人を切り離している人だからこそ、「情のビジネス」は有効なのかしれない。

情もひとつのビジネスツールという割り切りが出来れば、1人のビジネスマンとして一段上にいけるのかもしれない。(しかも命がけで)

結局のところ、情や命も含めて、人生という壮大なゲームのひとつの要素を割り切れば、また新しい地平線を獲得できるのかもしれない。