Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

あらゆる人の幸せを祈って:マニラより

人を信じれば、裏切られることもある。 それは確かな真実だろう。

でも、そのあとどうするかが非常に重要だ。

オンライン英会話スクール「ワンズワードオンライン」を始めた時に、「フィリピン人は甘やかすと、すぐに甘えてもっと要求してくる」と言われたが、それを言った本人が人の信用を裏切り、色々とやらかしているのはなんだか滑稽だとは思う。

そして、今回もフィリピン人スタッフに同じことを言われた。

彼女たちが5年後、6年後、今と同じような気持ちを抱いてくれていることを祈るばかりだ。 人の人生は外的要因に左右されるものだし、環境というものはとても重要だとこのフィリピンという国に来ると、そう強く思う。

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人の信用というものは、この国では高価なものだ。 誰もが誰かを騙さないとある意味、成り立たない。彼らの高すぎる自尊心はそうでもしないと保てないのだろう。だが、もちろん中にはたくさん素晴らしい人たちもいる。

staff_onesword (左からKim, Susan、それにMerlejoyさんです。日頃の業務は彼女たちがいるから成立しております・・・・感謝!)

すでに1年も彼女たちと一緒に仕事をしているが、会うのは今回が初めてだった。 それだけでも今回、フィリピンに来た甲斐があったと思う。

起業した頃は、5年も6年も先のことなど想像も出来なかった。

2009年に起業して、2011年にブエノスアイレスに移り住みスペイン語とタンゴを学び2年住み、2013年に世界一周の旅に出かけ、メキシコシティにたどり着いて2年ほど住んだ。そして2014年には1ヶ月ほどヨーロッパに滞在して、シチリア島めぐりもした。

多くの人と知り合い、笑い合い、ひとときを共にした。 失った友人よりも得た友人のほうがはるかに多い6年だった。

起業した頃は経営者の自覚など1ミクロンもなかったが、すでにこれだけの年月が経つと、この先の5、6年は想像くらいはできる。今まで自分は行動することこそ善だと思っていたが、色々と思い巡らしてみると、それがどうやら間違いだったいうことを認めざる得ない。個人の人生としてはそれでもいいのかもしれないが、経営者としてどうかとは思う。

ただ試さないとわからないことも事実だ。

その経験を糧にこれからの数年を生きていこうと思っている。 多くの失敗もしたし、またそれから学びもした。そして、自分の責任の範疇の外にあることも、時には自分が責任を取らざる得ない。それが人生というものだろう。

だが、誰も人の人生には責任を負えない。

今でも強烈に覚えているが、自分が14歳の頃、うちの母親が「親といっても他人だから、あなたの人生に私は責任を負えない。でもあなたが例え全世界を敵に回しても、私はあなたの味方だから」と言われたことがある。

言った本人はとうの昔に忘れていると思うが、含蓄のある言葉だとは思う。 あれ以来、一人の独立した人間と生きてきており、あらゆることに対してすべて自分の責任で行ってきた。人に言われてやったことなどひとつもない。高校を出て、すぐに留学すると決めた時も、それからニューヨークに行って、さらにロンドンに行ったことも最終的には自分で決めた。

人は能動的に自分の人生を選択した数だけ、成長ができる。 失敗しようが、なにしようが、それが糧となることは確かだ。

すべての人の幸せを祈るが、彼らが幸せでなくても、それは自分の責任ではない。 でも、彼らと再び道が交わることがあれば笑って過去の話を語り合えればと思う。