Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

生きる技術:ブエノスアイレスにて。

ブエノスアイレスの一月は、気が抜けたコーラのようなものだ。

日本と季節が真逆なブエノスアイレスは、当然今は真夏・・・・・そして、一般的なアルゼンチン人は1月の丸一ヶ月バカンスに出かける。

Park2012

新年の抱負などはきっと寒い国では真剣に考えられるだろうが、ここの人たちはとにかく「ビーチ!ビーチ!ビーチ!」という思考回路だ。年末にウルグアイのダイマンに温泉に浸かりいったのだが、そのことをロレーナ先生に言うと、「なんでビーチに行かないの?夏なのに温泉に入って何が楽しいの?」ともっともなことを言われた。

1月→バカンス→ビーチというのがここでの常識なのだ。

日本に一時帰国するまでに2ヶ月強しかないので、ここはひとつスペイン語レッスンを増やして頑張ろうと新年早々決意を新たにした。しかし、今一番のお気に入りの先生であるマテアス2号はちょっと週末ウルグアイのビーチに行ってくると言って、それでそこが気に入ったのか「やっぱり今月末までここにいることにするから、よろしく!」と連絡があった。

さすがはアルゼンチン人である。

今のところ、来年もブエノスアイレスに滞在する予定だが、来年の1月はとっとと違う国へと行こうと思う。ブエノスアイレスに居ても、あらゆることが停滞し、こちらのやる気も削がれてしまう。

今年は自分の生活を制限してスペイン語の勉強に多くの時間を注いだが、4月にブエノスアイレスに戻ってきたら、もう少しペースを落として色々な国を見てまわる機会を作ろうと思う。

今は空前の円高、ユーロ安なのでヨーロッパに行くチャンスでもある。スペインのスペイン語はアルゼンチンのスペイン語と全く違うといってもいいほど違うので、きちんとブエノスアイレススペイン語を身に着けてから行こうと思っていたが、そんなこと言っているとこのユーロ安を見逃してしまう。

それに「食べて、祈って、恋をして」を見て以来、すっかりイタリア熱に取り憑かれて、スペインに行くついでに寄ってみたいと思っている。(イタリアには19歳の頃行ったきりで、それ以来行っていない。あのときは3週間くらい滞在したけど、まだまだ見足りない国だ)

もともとブエノスアイレスに来たのもたまたまであり、日本を発つときに成田空港で買った「地球の歩き方」で情報を仕入れた程度の知識しかこの街についてもっていなかった。それが今では9ヶ月間も滞在し、とても気に入っている。

ドイツの哲学者ニーチェは「問うな、踊れ!」と書いたが、たしかに考えている暇があれば、楽しく踊ったほうがいい。そして、人生を楽しく躍るためにはそれなりに技術が必要なわけで、それをいかに自分自身に身に着けさせるかということが重要だ。

英語やスペイン語もそのための大切な技術だし、知識や経験などもそのために意図的に手に入れる必要がある。(だから、人は旅をし、恋をし、食べて、仕事をして、またとんでもない失敗をやらかす)

高校生の頃にニーチェを読んでとても共感し傾倒したが、実際に彼の哲学を自分の人生に反映させることが出来たのは、35歳で起業して、36歳でブエノスアイレスに来てからかもしれない。

考え方を真似したり、知ったかぶって人に言いふらしたりすることは簡単だが、それを実践に移すのはとても難しい。

最近、やれノマドやセルフブランディングなどという言葉が一人歩きしているが、そんなラベルはどうでもいい。ようはどのように人生を楽しみ、そして楽しむためには戦略的に自分の人生を見つめて、適度のプレッシャーと課題をどう自分に与えるかが重要だ。

そのようなことを考えると、もしイタリアに住んだらイタリア語も勉強しないといけないか・・・・もう少し自分の人生、見つめ直してみる必要があるかもしれない・・・・