Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

Fukushima、その後:大内宿、猪苗代湖、日中温泉ゆもとやについて

昨日は旅館をチェックアウトしてから、江戸時代からの街並みが残る大内宿を訪れた。

 

お盆の頃は大渋滞を引き起こすほどの観光地だけあって、平日なのにすごい人だった。また、それだけの人たちが訪れるのには理由があり、観光地としてはとても魅力的な土地でもあった。

 

茅葺き屋根の街並みは確かに美しかったし、村全体に自分たちの土地に対しての誇りのようなものが感じられた。

 

そのあとは、少し遠回りになるが旅館に早く着いてもやることがないので、猪苗代湖まで足を延ばした。

 

猪苗代湖に着くまでには、かなり天気が崩れたが、それはそれで幻想的な風景となった。ただ、猪苗代湖にある志田浜の施設はすでに廃業をしているところが多く、かなり寂れた場所だった。

 

かっては多くの観光客に賑わったのだろうなと感じたし、それだけの魅力もある、とても素晴らしい湖だ。

 

福島の観光地に色々と行ってみて気づくのは、外国人観光客の少なさだ。311の影響をものすごく感じる。先月行った山梨の西山温泉慶雲館では、多くの外国人が宿泊していたが、福島の旅館では皆無だ。

 

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そして今回、お世話になったのは日中温泉 ゆもとやさんだ。

 

www.aizu-yumotoya.com

 

こちらもたまたま「日本秘湯を守る会」の旅館であり、ダムの麓に位置する世にも奇妙な旅館だ。大丸あすなろ荘よりも秘湯感は少なく、源泉もぬる湯で入りやすい。宿も手入れが行き届いており、とても好感が持てる。(ちなみに大丸あすなろ荘の源泉は52度くらいとかなり高温で、夏はきつい。)

 

露天風呂にある寝湯と大きな丸型のお風呂が源泉掛け流しで、内湯は温泉ではなく循環式のお風呂とのことだ。

 

夏はこれぐらいのぬる湯が最適だと思い、ゆっくりと温泉に浸かり、リラックスした。

 

 

食事もしっかりとした食事だったが、少し量が多かった。これは旅館あるあるなので、仕方がない。ちなみに妻に「今まで行って一番良かった温泉宿は?」と聞いてみた。

 

すると、しばらくしたら、「日光のリッツカールトン」という無情な答えが返ってきた。以前、クレジットカードのポイントで無料宿泊したのだが、確かに部屋や施設、ホスピタリティは素晴らしいものがあった。(温泉自体は源泉を引いてはいるが、おそらく循環式だと思う。)

 

結局、温泉に浸かっている時間よりは、部屋で過ごす時間の方が長いので、そこでいかに過ごせるかが問われる。そういう意味では、「本物の源泉掛け流し」にこだわっている宿は、一般的にはそれだけではコンテンツとしては弱いのかもしれない。

 

日本には素晴らしい旅館が掃いて捨てるほどある。しかし、人口自体どんどん少なくなる中、これから生き残るには「いかに外国人観光客を惹き入れるか?」が問われている。

 

一部の旅館や施設は外国人の誘致には成功はしているが、それはたまたまにしか過ぎないように思う。

 

また従業員の確保も死活問題になっている。あすなろ荘もゆもとやも部屋数はあるが、全室稼働するほどの従業員がおらず、一部閉鎖されているのが現状だ。

 

そして、Fukushimaの現状は深刻だ。

311から10年以上経っても外国人客が戻ってこないのであれば、今後よほどの施策を打たないと将来も危うい。福島には素晴らしい温泉がたくさんあり、魅力的な観光地もたくさんあるし、それに水、湖、山、海まで揃っている。

 

このまま廃れていくには勿体無い土地だと思う。

自分自身でも何かできることはないかと考えていきたい。世界中を旅したが、日本の地方よりも魅力的な土地はなかった。せめて、そのことだけでも広めていければと願っている。