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旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

再びメキシコシティへと:2016年の春

メキシコシティへと再び戻ってきた。

人生は儚く、また愛しいもの

もともとは、メキシコ人の親友アビマエルが去年の12月に事故に遭い、1ヶ月半ずっと寝たきりの状態だったために、彼を励ますために一緒にプラヤ・デ・カルメンに行こうと計画したことから始まる。

そのときは全く本気ではなかったし、ただの口約束だったが、仕事関係でメキシコとキューバに行く案件が発生したので、それらを絡めて当初約束した5月にメキシコへとやってきた。

有言実行とは聞こえはいいが、人生何が起こるか分からない。

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寝たきりで運動不足なアビマエルは体格がふた回りくらい大きくなってしまったが、元気そうで何よりだった。

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彼はアレックスという医者とマンションをシェアしており、そこに居候している。ちょうどアレックスはヨーロッパに旅行に行っているので、メキシコシティのコンデサ(東京で言うところの青山みたいなところ)で一人すっかり寛いでいる。アレックスの前の彼氏が画家だったので、至る所に彼の作品が飾られており、なかなか小洒落ている。(週末はアビマエルも泊まりで遊びに出かけたので、文字通り一人きりになり、それもそれで心地いい) 

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コンデサは緑が多く、空気汚染で有名なメキシコシティとは思えないほど、気持ちがいいところだ。今度、メキシコシティに住むことがあるならば、ぜひここに住みたいと思う。

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お約束のようにタコスとミチェラーダ(ビールにレモン汁と塩をグラスの縁にまぶしたもの)を満喫している。久しぶりにメキシコのタコスを食べたが、すごくおいしかった。住んでいるときは食傷気味だったが、離れてみると恋しくなるものだ。だが翌日はあっさりと韓国料理屋へと繰り出したが・・・・

仕事も無事終わり、今週の木曜日にアビマエルと一緒に約束通りにプラヤ・デ・カルメンに行き、そこからキューバへと飛びJETROが主催するキューバ視察旅行に参加する予定だ。

プラヤ・デ・カルメンにも友人が数人おり、またキューバにもブエノスアイレスのミロンガで知り合ったロイター記者の友人がいる。こうして、世界各国に友人が散らばっているのは、とてもありがたいことだ。

メキシコシティの街を歩いていても、全く異国にいる気がしない。

勝手知ったる街だからだろう。しばらく日本にいて、このラテンの国に来ると、人と人が近いラテン的な人間関係を心地よく感じる。同性同士で会うと握手し、異性と会うと右のほっぺたにキスをする。なんともないことだが、こんなことでその人たちと近しい気がしてくるから不思議だ。

そして、久しぶりにメキシコのミロンガに繰り出したが、色々な知り合いに声をかけられ旧交を温めて、とても楽しい時間を過ごした。今回の旅に関してはそれほど期待していなかったが、本当に来て良かったと思う。

同じ場所にあまり長く居ると、いつまにかその土地の考えに支配されていることに気付かなくなる。人種も言葉もバックグラウンドも違う人間が知り合ってなにかしら話をすること自体、ちょっとした奇跡のようなものだ。

そんな瞬間をこれからも多く体験したいと思っている。