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旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

ビジネスについての一考察:とあるスペイン語レッスン

今日はマンションを購入したばかりのロレーナ先生が、次はスペイン語の先生としてだけではなく、自分でもビジネスをしたいからということで、色々と相談にのった。

多くの人は気づいていないか、それとも特に意識していないのか分からないが、通常のビジネスモデルは結局は二種類に集約される。

1つは「とにかく安い」ということ、もう一つは「オリジナルである」ということだ。

安さで勝負すると、ビジネス的にはけっこうきついが、多くのバイを争うことになるので、当たればでかい。もう一つのビジネスモデルであるオリジナルティー(独創性)を追求すると、当たってもそれほど多くの収益は見込めないが、身の丈にあった経営を心がければ、そこそこうまくいく。

で、この二つを兼ねあわせたものが、大成功をもたらす。例えば、ユニクロだ。おそらく、ユニクロ以前にも多くの企業が中国に生産拠点を持っていたし、今では当たり前のようにどの企業も中国で洋服を作っている。しかし、ユニクロは出来る限り安く、出来る限りいいものを追求した。その結果、世界的な成功を収めつつある。

物販の場合は、上記のようなことが可能ではある。規模が大きくなればなるほど、スケールメリットは多大になり、ほかの追随を許さない。

しかし、うちのようにオンライン英会話スクールのようなサービス業はそうはいかない。ワンズワードで雇用するような「本当に優秀な先生」は限られているし、規模が大きくなっても、先生の給料は増えることはあっても減ることはありえない。(これが物販だと、規模が大きくなればなるほど、コストは下がる。それが一番大きな違いだ)

上記のようなごく基本的なことを説明しながら、ここブエノスアイレスで可能なビジネスを彼女と一緒に考えた。そもそもの問題はこの国の規制がかっての日本のように厳しく、普通にビジネスをしようとしてもそれもままならないことが問題だ。

すっかり僕に感化されてしまった彼女は僕と同じようにスペイン語のオンラインスクールを作って自分で経営しようとちょっと本気で思っているらしいが、それだと市場の選定が正直難しい。(そういえば、僕に感化されて韓国語のオンラインスクールを立ち上げている友人もいる)

彼女は「アメリカはどう?」と訊いてきたが、そのような大雑把な市場の選定は無意味だ。例えばワンズワードオンラインのターゲットは「日本人、英語を本気で学びたい人、それに対して多大な労力と時間を費やすことを自覚している人、お金よりも質を重視する人」という言葉がキーワードになっている。

そこまで落とし込んでからサイト制作をし、マーケティングを行うのがビジネスの基本だ。で、このマーケティングが一番難しい。

ワンズワードと同じキーワードをスペイン語のオンラインスクールに当てはめた場合、「そういう人はスペインなり、南米なりに短期間留学するだろうな」というのが正直な感想だ。

それにやはり欧米人が言語を継続して勉強するとは到底思えない。アラビア語や中国語ならいざ知らず、スペイン語は彼らの母語に近いので、その必要性がないからだ。

市場を日本とした場合でも、スペイン語を学びたい日本人は100人に1人くらいだろし、本気で学びたい人はきっと留学するのではと思う。なぜなら、英語よりも習得が難しい言語であることから、短期間でも留学しないと本当に習得することは不可能だと思うからだ。

「お金もないから、なるべくお金をかけたくないの」というロレーナ先生の希望に叶うような夢のようなビジネスモデルについて今後も考察はするが、自分は自分でやるべきことをやっていこうと思った今日のレッスンだった。