Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

真夜中の散歩

「同じ河に二度入ることはできない」 ヘラクレイトス

時間はひとつの概念だ。
実際に存在はしない。

とはいっても人間の生活の指針になる最大の要素が時間だ。
人々は鏡に映るしわの数や、肌の質感やなんかで自分の過ぎ去った時間を実感する。

日々の生活のなかで、今この瞬間はもう二度と存在しないのだと実感することはとても難しい。

明日と今日、それに昨日の区別がつく人が何人いるだろうか?
漠然と過ごしてしまえば、一週間なんてあっという間に過ぎ去ってしまう。

最近、僕は一人になって考えるようにしている。
そうすると、時間の存在を感じることができるから。

誰かと一緒にいると、時間は闇雲なスピードで過ぎていく。
一時停止させるには、一人になるのが一番だ。

思春期の頃、よく僕は真夜中に散歩した。
そうすることによって、自分の存在を確かめたかったのだろう。
誰もいないからこそ、自分の存在が感じられた。

最近、また真夜中の散歩をするようになった。
以前とは全く違った理由で。

なんとか危機感を持って生きていたい。
そんな願いを込めて、僕はふらふらと真夜中の散歩に出かける。