週末、祖母の誕生日会が親戚一同で祝われた。
祖母は今年で93歳になる。
ちなみに彼女は6年間ほど自分はずっと84歳だと思い込み、同じマンションの人にもそう言いふらしていたので、マンション内で90歳になった人達を祝う会で自らの名前を呼ばれたときは、周りの人間もびっくりしたが、本人が一番びっくりしたという逸話の持ち主だ。
悲しいことに人間は、一年ごとに一歳年を取らねばならない。
90年も生きたら、6年に一歳くらい年を取るぐらいでいいのかもしれないが、現実はそう甘くはない。
若いアイドルが時々年齢詐称で記事になるが、どうやら年を取り過ぎると同じ過ちを犯してしまうらしい。
そんなこんなで滞りなく誕生日会も終わったが、人間90歳を超えると一年ごとに確実に老いる。
あれほど背筋がぴんとしていた祖母も今では、腰が曲がって歩くのもままならない。
その一方で、姉の子供は生まれて9ヶ月しか経っていないが、会うたびに変化があり、着実に一歩一歩人間へと進化を遂げている。
そしてまた、叔父夫婦の子供、僕の従兄弟にあたる子は僕が高校の頃ベビシッターをしていたのに、来年高校生になるという。
一年に一回しか会わないからこそ、そんな変化にある種の恐怖を覚える。
ときは正確に刻んでいくのだ。
僕達が気付かない間にときはビートを刻み、残酷にその刻印を押していく。
93年も生きた人間にとって、僕らはどう見えるのだろう?
ただ思うのは、本人はどうでもいいのかもしれないが、自分が思うのは90年以上生きても、孫に誕生日を祝ってもらえたらどんなに幸せだろうかということだ。