なぜ早朝のフライトにしたか定かではないが、連日の早朝からの移動で体は相当ガタがきている。移動だけならなんの問題もないのだが、結構遅くまで飲み歩いてしまったことが一番の原因だろう。
昨日はホテルに帰ってからも飲んでしまい、寝たのは夜中の三時だ。
[caption id="attachment_461" align="alignleft" width="523" caption="(まるでホテルのロビーのようなサムイ島の空港ロビーです。オープンエアで気持ちがいいです。気持ち良過ぎて寝ている人もいます)"][/caption]
バンコクに来るのはこれで三度目になる。
何回来ても、ここは飽きない。
特にバックパッカーの聖地であるカオサンロードの独特の雰囲気に魅了される。何の用事もないのに、ついつい気がつけばカオサンロードへと足が向くから不思議だ。そういった磁力を備えている場所なのだろう。
前回来たときは、カオサンロードのど真ん中に宿泊していたので、そのあたりの地理には明るい。しかし、今回はそこから離れたロイヤル・オーキッド・シェラトンという五つ星ホテルに泊まった。格安ツアーにも関らずどうしてこんないいホテルに泊まれるのかよく分からないが、非常に快適なホテルだった。
サムイ島のホテルとはえらい違いだ。
空港からホテルまで送ってもらい、荷物を降ろして早速近所にあるというチャイナタウンへと繰り出した。バンコクの中華街に行くのは初めてだったが、日本やニューヨークのそれとは違いずいぶんと規模は小さい。ちょうど昼食どきだったので、そのなかの店に入り点心などを頼んで空腹を満たした。
バンコクでの移動は以前はよくトゥクトゥクを利用していたが、値段の交渉が煩わしいので、前回来たときからメーター付のタクシーに乗り行く先を告げ、「メーターを使ってください」と頼むようにした。ほとんど場合すんなりと行ってくれる。まれに「200バーツ」などと要求される場合があるが、そういうときは黙って降りるか、降りるふりをして相手の出方を待つ。
(バックパッカーたちはメーター付タクシーに乗ってもまず運転手に「いくら?」と聞く癖がついており、これだとまた交渉が始まり、時間を浪費してしまう。黙って乗って行き先を告げるほうがはるかに効率がいいことに意外と気が付かないものだ)
一度ホテルに帰り、また夜にはカオサンロードへと戻ってきて、バーやクラブと飲み歩いた。途中、バンコクへ初めて来て以来、気に入っているタイのお粥を食べた。
これが最高にうまい。
[caption id="attachment_464" align="aligncenter" width="337" caption="(それにしても彼は本当においしそうに食べるな・・・・・・)"][/caption]
カオサンロードにも例のバケツカクテルが売っており、それを飲みながらうろついたので、それだけでもかなり酔ってしまった。バーでも同じものを何杯か頼み、店を出る頃には相当酔っていたが、最後に一杯だけ飲んで帰ろうということになり、バーに寄った。
そこであろうことか以前日本で会ったことのあるカナダ人の女の子ニコルに偶然会い、話に花が咲いた。バンコクに来るということはなんとなく知ってはいたが、まさか会えるとは思っていなかった。彼女は今日ベトナムからバンコクに着いたばかりで明日にはバンガン島へと向かうとのことだった。
やはり彼女のような人はサムイ島ではなく、バンガン島へ向かうのだろう。次回は自分もそうしようと心に決めた。
[caption id="attachment_465" align="aligncenter" width="523" caption="(人のこと言えないが、明らかにみなさん出来上がっていますね)"][/caption]
時刻はすでに朝の四時半だったので、そろそろお開きにしようということになり、彼らとは翌日のランチを約束して、ホテルへとタクシーで帰った。
翌朝、はたと気が付くとまだ朝の九時半だった。
バンコクでは同じ部屋に泊まっているヨシロウの会社の携帯が鳴ったのと、ほぼ同じタイミングで起きてしまった。バンコクくんだりまで来てまで仕事に追われるとは、気の毒な男だ。すっかり二度寝をするタイミングを逃してしまい、仕方がないのでベッドから起きてシャワーを浴びた。うだうだしている間にランチの約束の時間になってしまいタクシーに乗って、カオサンロードへと向かった。
今日が旅の最終日というのに、どうにも締まらない日だった。
前日の飲みがたたってあまり弾まない会話に終始してしまったが、まだまだ旅が続く彼らが少し羨ましかった。本当のところ、二、三ヵ月ほど彼女みたいに旅をするのが理想的だが、明日どうなるか分からない身としては、そうもいかない。
彼らと別れたあと、ぶらぶらとカオサンロード近辺を散歩し、旅の疲れを癒すために最後にマッサージ屋へと赴いた。タイにいるあいだはほぼ毎日行ったが、ここのマッサージ屋が一番うまかった。なぜかマッサージの途中で人の顔を見てくすくす笑うのがたまにキズだが、腕は確かだ。
[caption id="attachment_466" align="aligncenter" width="337" caption=" (途中、観光めいたことをしておこうと思い、王宮に寄りました。リクラニングブッダさんです。行ってみて前回も来たことがあることが判明。最近、もの忘れがひどいようです) "][/caption]
おみやげなどの買い物を済まして、ヨシロウと合流するためホテルへと帰った。そこで最後の夜にどうしてもタイスキが食べたくなり、ホテルのコンシェルジェにどこかいいところがないか聞いてみた。
すると「スリナムスクウェアにたくさんあるから、そこに行けばいい」と言われる。レストランの名前を聞くと、店はたくさんあるからどれもおいしいと結構適当な答えが返ってきた。ホテルからもそう遠くないらしいので、とにかく行ってみることにした。時間帯がちょうどラッシュ時だったので、時間をロスしてしまったが30分ほどで着いた。
あまりにも探すエリアが広すぎてどこに行っていいか分からなかったので、道端に座っていたおっさんに「タイスキ(タイ語ではCOCAというらしい)を食べたいのだが、どこかいいところ知らないか?」と聞いてみた。
すると「ここはソイ1(一番地)だからソイ6に行けばいい」とのことだ。歩いてどれくらいか聞くと10分くらいだというので、行ってみた。
ソイ6に着いてまた同じ質問すると、「そこの角を左に曲がればある」と教えてくれた。
着いたところが、ここだ。
(ここのスリナムスクウェア支店にたどり着きました)
二階に通されると、JTBやらHISのツアー客の日本人でいっぱいの店だった。
そのなかでもこれだけいい加減な形でこの店にたどり着いたのは、僕たちだけだろう。結果は同じだが、プロセスが重要だと二人で言い合いながら、席に着いた。
たしかにバンコク一の有名店だけあって、それなりにおいしかった。
本当はもっと庶民的な店に行きたかったのだが、それは次回の楽しみに取っておくことにしよう。
腹いっぱい食べて、なおかつ最後の締めにスープでお粥を作ってもらい食べた。
タイでは食事に困ることはないだろう。これだけおいしいものがたくさんある国はそうない。屋台でも何度か食べたが、どれもおいしかった。生野菜がないことだけが不満だったが、それ以外は完璧だった。インドやモロッコでも食事は満喫できたが、やはりタイが一番おいしい。
帰りはラッシュにのまれることなく、あっという間にホテルに着いた。行きの半分くらいの時間しかかかっていないだろう。
バンコクのタクシーに乗っていつも思うのは、どのタクシー運転手もひどく短気だということだ。 渋滞中に車線が少しでも空こうものなら、いっきに車線変更するし、ちょっとでも流れが止まるとそのたびに舌打ちをする。彼らは慣れるということがないのだろうか?毎日毎日似たような渋滞にはまっているのだから、いいかげんいらいらするのを止めればいいと思うのだが、元来そういう性格なのか一向に慣れる様子もなく、乗っている僕たちよりもはるかに渋滞にいつもいらついている。
タイ弾丸ツアーは最後まで大過なく過ごし、毎日の睡眠時間は日本にいるときよりもはるかに短かったが、体調も崩すことなく無事終えた。
本当はプールサイドで本でも読みながら優雅に過ごす予定が、そんなことは一切なく、慌ただしい旅行になってしまった。
予定とは少し違う形になってしまったが、優雅に過ごすにはまだ若すぎたようだ。
次はバンコクを拠点にベトナムあたりに行ってみようと思う。
ここ数年行こうと思っている国だが、タイミングが合わずまだ行っていない。
それに今年はロンドンの友人たちにも会いたいから、バンコク経由ロンドン行きでもいいかもしれない。
そんなことを漠然と考えながら、最後の地バンコクをあとにした。