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旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

人に何かを教えるということについて:ワンズワード流の先生採用

ブエノスアイレスでも、ずっとオンライン英会話スクールのための先生採用は続けており、平均して週5人ほどはSKYPE面接している。そして、4ヶ月目にしてようやく2名ほど最終面接に受かり、現在研修している。

それほど差し迫って先生を採用する必要はなかったので、焦ってはいなかったが、それにしても相変わらず話にならない応募者が多い。

このあいだは英語も綺麗だし、感じも良さそうなどで好印象だった先生がいたが、面接も佳境に差し掛かったときに「それで韓国人を教えるのかしら?」と訊かれてとたんに萎えた。うちの求人広告はかなり特殊で、フィリピンのNGOと提携して高校生を経済的に援助していることや、また顧客満足度でも高い評価を得ていると謳い、何よりもクオリティ重視であることを全面に出している。当然、日本人による日本人のためのスクールであることも明確にしている。

もし、本当にワンズワードで働きたければ、「フィリピンのNGOと提携しているなんて、ユニークな試みでとても共感出来る!」とでも言っておけば好印象は間違いない。

(ちなみに現在研修している1名はまさに上記のことを僕に言って、がっちりハートを掴まれました。人間という生き物は至極単純に出来ており、自分がやっていることに共感されるとその相手の評価は上がります)

時々、いじわるをして「どうして数あるオンライン英会話スクールのなかでうちに応募していきたの?」と訊くと「たくさんのスクールに応募したから、なんでかなんて覚えていない」というとても素直な返事が返ってくる・・・・・あほなのだろうか。

(メールの送信先に他社にCCして一斉送信して送ってくる人もあとを立たないし、カバーレターもつけずに送ってくる人も相変わらず多い。またそのカバーレターにも多くの文法的な間違いがある場合が多い)

そうして、だいたいこのように箸も棒にもかからない応募者が全体の99%ほど占めている。(ワンズワード調べ)

フィリピンは発展途上国だし、日本と同じ基準で判断してはいけないことは百も承知している。しかし、他社に比べて明らかに高い賃金を払うのだから、当然こちらの要求もそれになりに高くなることも理解して欲しい。

自分にとって「何人であるか?」なんてことは関係ない。相手がフィリピン人だからといって諦めるつもりもない。フィリピン人でも自分が求めているクオリティを持っている人がいることは現在在籍している先生たちが証明してくれている。だからこそ、彼らと同等かそれ以上のクオリティを持った先生を見つけるのが自分の使命だ。

時々、自分の直感や判断が間違いであればいいのにと思う。自分の判断が間違っていて、彼らが僕が思う以上に実際はクオリティが高いレッスンを行い、生徒様に満足していただける人たちだったら、どんなにか仕事が楽だろうかと思う。

しかし、残念ながら今まで在籍していた先生、また現在在籍している先生、それに多くの面接落伍者の先生たちを見て、自分が下している判断は大方合っているのだろうなと思う。

「言わなきゃ分からないような人は、いくら言っても分からない。言えばわかる人は、言わなくてもすでに分かっている」というのはユーシン社長・田邊耕二氏の言葉だけど、まさにその通りだと思う。

英語の教え方は研修で教えることはできるけど、「英語を教える心構え」までは教えることは出来ない。もっと具体的に言うと、結局教える相手への共感力だと思う。相手が何を欲し、何を言いたいか、また英語を通じて何を成し遂げたいか、そこまで見通すことが出来る人たちを雇用したい。そして、一度雇用したからには彼らに末長く働いてもらえるように最善を尽くしたい。それがワンズワード流のあり方だと思っている。