今日がチリ最後の日だ。
結局、サンティアゴに一週間ぐらい滞在してしまった。日本からチリに来て、サンティアゴに驚くことはそれほどないかもしれないが、ブエノスアイレスに半年滞在してから来ると、サンティアゴには驚きの連続だった。
上記はサンティアゴの地下鉄構内の写真だが、東京よりも駅構内は近代的であり、走っている地下鉄も先進諸国の地下鉄、あるいはそれ以上に近代的だ。
(ちなみにブエノスアイレスの地下鉄はものすごく古く、ゴミと窃盗の宝庫であり、この写真とは比較にはならないほど前時代的です)
チリに来る前に何人かのアルゼンチン人にチリに行くことを告げたが、ほとんどが「チリなんて行く価値はない」という態度だったが、国としてアルゼンチンはチリに圧倒的に差がつけられていることを実感した。
サンティアゴに限って言えば、西ヨーロッパの首都並の機能性と文化的な豊穣さがあると言っても過言ではない。
今日はGAM MUSEOという美術館に行ったのだが、国の経済がしっかりしていると芸術にお金を使うことが出来るのだなと思えるほど、充実したコレクション、それに美術館自体の建物が何よりも素晴らしかった。
たまたまファッションショーも開催されていて、チリの最先端のファッションに触れることが出来た。(ただファッションセンスで言えば、ブエノスアイレスのオシャレさは半端ないので、ブエノスアイレスに軍配が上がるかと・・・・・・まあ、ブエノスアイレスは個々のセンスで勝負している感じがするが、チリは国自体で盛り上げようという気概を感じます)
ビザ更新のためにチリに来ただけなので、それほど期待はしていなかったが、その予想以上の暮らしやすさとブエノスアイレスとは比べ物にならないほどの治安の良さにすっかり気に入ってしまった。
またアルゼンチンとは違い、シーフードが豊富にあるので、その食文化にすっかりやられてしまった。
とあるレストランで、刺身の和え物的なものを頼んだのだが、これがとてもおいしかった。このレストランでは客のほとんどがこれを頼んでいたので、名物料理なのだろう。
アルゼンチンではとにかく肉がおいしいので、「焼けばいいだろう」的ないいかげんさを感じるが、チリの料理はきっちり下ごしらえをして料理をしている感じがするので、味もしっかりついている。
話は変わるが、20歳の頃、インドを旅したときに10人くらいのフランス人と南インドのケララ州にある小さな村で一緒にランチをしたことがある。そこで「世界一おいしい料理の国は?」という議論が始まったのだが、その10人のフランス人が全員一致で「日本」という結論に達した。
たいした旅の経験がない頃だったので、「そんなものかな」としかその時は思わなかったが、今では本当にその通りだと思う。
あのプライドの高いフランス人たちが全員一致で納得するほど日本の料理のクオリティは高い。
だから、日本からチリに来てもその料理の素晴らしさは体感することが出来ないかもしれないが、ブエノスアイレス、あるいはほかの土地に住んでから来ると、そのありがたみが身に染みる。
このように書いているとブエノスアイレスよりもサンティアゴに住んだほうがいいように感じるかもしれないが、それでもやはりブエノスアイレスのほうが個人的には好きだ。正直、どちらかというとだめんずうぉーかー的なノリもあるが、「ほんとアホだなあ」と思う愛嬌のある街なのでついつい居ついてしまう。
具体的に「サンティアゴよりもブエノスアイレスが良いと思うところを挙げろ」と言われても困るが、そもそも日本人に取ってみれば日本が一番暮らしやすい。だからわざわざ海外に住むのであれば、暮らしやすさを追求しても仕方がない。
ブエノスアイレスにはロマンを感じる。
単純に考えれば、そんな理由でうっかりブエノスアイレスに居ついているのかもしれない。
(泊まっているアパートからの景色です。窓からアンデス山脈が見えるというのもオツかと)