旅は非日常である。
誰かがそんなことを言った気がする。
でも、きっと自分は人生をかけてずっとその旅を日常とするために生きてきた気がする。18歳のときにヨーロッパで一人で旅にしているときに、素晴らしい出会いはいくつもあったが英語が出来ずに悔しい思いをしたので、翌年英国へと留学した。
そして、仕事がインターネットで完結出来ることをなったので、再度海外へと行き、ブエノスアイレスで生活を始めた。
旅を日常にするためには当然のようにいくつかの武器が必要となる。英語やスペイン語といった語学はもちろん、タンゴやサルサもここ南米では立派な武器となり、人々との出会いを助けてくれる。それらを手に入れるためには多くの忍耐を必要とするし、海外生活の多くは自分の許容範囲をいかに広げて、問題が起きた時にいかに適切に処理出来るかにかかっている。
メキシコシティのことを調べていることをきっかけに、「金丸文武 世界放浪日記」というブログを知り、彼は野宿をし、ギターを弾いて日銭を稼ぎ、外国人の友人をたくさん作っているその旅に惹かれて、連絡してメキシコシティで会って一日話した。
自分も忘れていたし、周りのメキシコ人もすっかり忘れているが、一応自分も世界一周中ではある。
予定はすでに大幅に変更になり、9月にはブエノスアイレスに帰る予定がいまだメキシコシティに滞在している。そして、旅は生活となり、メキシコシティが自分の生活拠点となった。自分の世界一周には期限も行き先もない。でも金丸くんの旅は2年と区切りがあり、また当然行き先は日本だ。
世界なんて何周したところで未知であり続け、多くのことを見ることは可能だが、その多くは理解することなんて不可能だと思う。ギリシャの哲学者ソクラテスは「私は何も知らないということを知っている」と言ったが、人は多くのことを知れば知るほど、そのような境地に達するのだろうと思う。
金丸くんはギターひとつで世界を渡り歩き、現地の人と交流し、なんだかとても楽しそうな旅をしている。音楽というのは旅の強力な武器だと思う。下手な英語よりもよほど役に立つ。
世界を旅すると自分が世界に比べていかに卑小でちっぽけな存在か、よく分かる。人は自分が無知であることを思い知るために世界を旅するのかもしれない。金丸くんの旅の魅力はきっと彼がそのことをきちんと理解し、出会う人に対してきちんといつも感謝の気持ちを持ち続けているからだろう。
メキシコシティで密かに「やせ細った金丸くんを小太りにする計画」を立てており、昨日も韓国焼肉、夜は日本料理屋で豚の角煮、豚のしょうが焼き、寿司、それにラーメンとてんこ盛りだった・・・・・まあ、これからハードになる南米の旅において、少しでもこのグルメの街であるメキシコシティで精力と体力をつけてもらいたいものだ。
金丸くんに触発されて一応参加しておこうかと・・・前にもそんなことを言った気がしますが。応援クリックよろしくお願いします。(世界何周するか分かりませんが・・・・・)