Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

愛と幻想のアルゼンチン

2011年4月に半ば衝動的にアルゼンチンへと移住してから、もう随分と長い時間が流れた。 それから、2013年4月まで住み続けたが、それからはメキシコ、日本へと居を移して今に至る。

少なくても1年に1回定期的に訪れている国には、メキシコ、フィリピン、それにアルゼンチンとあるが、このなかでアルゼンチンだけが見事にまるで発展の兆しが見えない。

メキシコやフィリピンはニュースとして聞く話ではろくな話がないが、実際訪れているとしっかりと着実に発展していることが感じされるし、人々の顔もどこかしら明るい。それに現地の人たちの購買力、購買意欲は凄まじいものがある。

翻って、アルゼンチンだ。 行くたびに人々の顔は暗くなっているように思えるし、インフレは凄まじい。

去年の大統領選で、マクリが新しい大統領になったが、経済政策的にはまだ迷走が続いており、今までガス、電気、水道などに補助金が出ていたのを完全にカットしたので、一気に料金が200%から2000%増しとなった。 (一般家庭、会社のサイズによって料率がかわり、一般家庭であるならばだいたい500%から1000%増しになったところが多い)

なかなかアグレッシブな政策だが、当然払えない人が続出したので、また元に戻すことも検討しているらしい。

補助金をカットすること自体は悪いことではない。1バレル45ドルだった石油をアルゼンチン政府はずっと1バレル77ドルで買っており、実質石油会社に1バレルにつき32ドルも多く払っていたことが判明している。

そして、ブエノスアイレス市以外に住んでいる多くの住民は、それほど多くの補助金を支払われておらず、一部では公共料金がブエノスアイレス市の3倍から5倍もしている地方もあった。それを是正するのは、正しい政策ではある。

補助金は貧しい人たちのための「補助」となるように手配されるべきだが、結局のところ一番得をしていたのは金持ちであって、貧しい人たちではなかったという事実も判明しており、だからこそ是正すべきであるというのは正しい主張ではある。

だからと言って、「はい、明日からガス代、電気代、水道代が5倍から10倍になるから、払ってね!」と言われても困るので、憲法違反であると現職の大統領が訴えられる事態にまで発展している。

アルゼンチン人の友人が「アルゼンチンには政党らしき政党が存在していないから、大統領選のたびに新しい政党が生まれて、政権運営のノウハウが引き継がれることがない。それが一番の問題だ!」と言っていたが、その通りだと思う。前政権のバラマキ政策のツケが今回ってきているが、それをうまく処理するスキルもノウハウも現政権にはない。

自民党一党独裁が30年近く続いた日本で民主党が政権を取った時の混乱を思い出すと分かりやすいかもしれない。

その混乱がずっとこの国では続いており、一向に経済的に上昇の気配が見えない。食料自給率200%を超える資源国であるので、天気さえよければ穀物の輸出(主に大豆、トウモロコシそれに小麦)でなんとかなるが、天気が悪ければコケるという博打打ちのような国である。

rosado (大統領府の前ではリンゴ農家の人たちのデモがあり、1キロ2ペソでしか買い取ってもらえないのに、スーパーなどでは1キロ30ペソで販売していることに抗議していた・・・・)

国内市場が韓国と同程度の4000万人程度なので、市場としては小さすぎるので国外市場に打って出るしかないのに、それもこの10年ずっと叶っていない。片やメキシコは北米自由貿易協定のおかげで関税ゼロで車を輸出できるので、日産やマツダ、それについにトヨタまで進出しようとしている。

前回ブエノスアイレスを訪れたのは2016年1月と半年ほど前だったが、今年8月に訪れてみても、価格の値段は確実に上がっており、インフレの重みを肌で感じる。

追い詰めれらた人間というものは、たいていロクな判断力を持たなくなる。 アルゼンチンの人たちがこうもロクな判断をしないのは、もしかしたらずっと追い詰められているからかもしれない。

正しかろうが、一気に公共料金を5倍も10倍値上げする人の気持ちが分からない大統領もどうかと思うし、感情的になって憲法違反といってそれを訴えるのも正直どうかと思う。

それでもこの国は、ジェットコースターのような政権運営をずっと続けて、本人たちはいたく真剣なんだけど、周りから見ると安っぽいメロドラマのような政治をずっと続けていくのだろう。

だが、現代のサッカーの神様はアルゼンチン人メッシであり、またローマ法王もアルゼンチン人である。圧倒的に優秀な個人をなぜか輩出する国ではあるので、「個人の時代」と呼ばれて久しいこの時代に救世主のような政治家が現れるかもしれない。

そんな儚い希望を抱きながらも、また足繁くアルゼンチンへと通うことになるのだろう。 願わくば救世主と思った相手がヒットラーのような独裁者ではないことだけを祈るばかりだ。

20時間で習得するスキルのすすめとタンゴについて

誰も知らないかもしれないが、毎年8月にはアルゼンチンの首都ブエノスアイレスでタンゴ世界選手権という世界大会が開催される。

2011年から2年ほど住んだ街だが、その頃は「へえー、タンゴに世界選手権なんてものがあるのか」と思っていた次第だが、今年は実際に現地に行ってみて、予選から準決勝、それに決勝とすべて見た。

アメリカ人作家マルコム・グラッドウェルが「天才! 成功する人々の法則」で、第一線のプロとして活躍するには1万時間の練習時間が必要であると提唱した。

このような大会で準決勝や決勝と勝ち進む人たちはきっとそれくらい練習しているだろうし、実際に日本やブエノスアイレスで習っている先生たちを見てみても、それくらいは練習している。それでも、本当のトップとして活躍できるのは限られた人たちだろうとは思う。

それに野球やサッカー、テニスやゴルフなどといったスポーツと違いタンゴの場合は目に見えるような結果がないので、練習や努力ではどうしようもできない部分も大きい。

タンゴ世界選手権にはピスタ部門とエセナリオ部門があるのは、エセナリオ部門で優勝したのは、上記の彼らだ。動画を見てもらえれば分かると思うが、独特の世界観でタンゴを表現しており、練習でこのような表現が身につくとは思えないのも事実だ。

そして、これがピスタ部門の優勝者だ。

タンゴを踊っていない人から見れば何がいいのかわからないとは思うし、正直決勝に残っていたほかのダンサーたちとどこがどう違うのか聞かれても分からないほどの僅差しかない思う。だが、そのような微妙な世界で戦っているのがタンゴのプロダンサーなのだろう。

でも、きっとタンゴの魅力はそういった目に見えない部分が大きく、個人個人が自分のタンゴを表現できる自由があるから、みんな夢中になるのではと思う。

また先に挙げた1万時間の理論だが、これはあくまで第一線のプロとして活躍している人たちを研究した結果であって一般人には当てはまらない。

TEDで有名な講演である「一人前になるには1万時間必要」は誤りだった! たった20時間で新たなスキルを身につけられる4つのコツ」によれば、意識的に練習に取り組めば20時間である程度の結果を出すことも可能ということだ。

1万時間と考えると気が遠くなるが、20時間だと誰でも捻出できる時間だ。

20時間でタンゴや英語、スペイン語が習得できるとは正直思えないが、「20時間を1セットと考えて、20時間でどこまで上達できるか目標を設定する」ことはどのようなことを取り組むにせよとても有効な方法だと思う。

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人はいくつになっても、新しいことをいくらでも習得できるし、またそれに伴って人間関係がどんどんと変化していく。それは趣味や仕事に限らず同じだろうとは思う。

忙しさにかまけて何もしないよりは、「20時間」を捻出して、なにか新しいことを習得することを目指して具体的な計画を練る方がより豊かな人生を送れることは間違いないだろう。

ペナン島への旅2016

ペナン島に行ってきた。 マレーシアはクアラルンプールは行ったことがあったが、ペナン島は初めてだ。

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世界遺産ジョージタウンはイギリスの植民地だった頃の建物がまだ残っており、非常にオシャレだった。

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マレー系が人口の6割、中国系が3割、そしてインド系が1割程度の人口構成なので一見すると、あらゆる人種が集まっている街に見える。

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よって、世界中の料理のいいとこどりをしているバラエティーに富んだ料理が楽しめる。

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バトゥ フェリンギというビーチにあるナイトマーケットに行って、そこのフードコートに行ったが、おそらく今まで行った中で最もクオリティの高いフードコートだと思った。世界50カ国で色々と食べ歩いたが、ここまで安くておいしく、なおかつバラエティーに富んだ料理が味わえるフードコートは生まれて初めてだ。

ここのフードコートに行くだけでもペナン島に行く価値があると思う。

マレーシアはシンガポールに比べるとどことなく特徴がない国だと思っていたが、中国系が多くを占めるシンガポールと違い、より人種のルツボで、ある意味カオスだ。だからこそ、ここまで豊富な料理が堪能できるのだろう。

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スパイスの効いた料理に飽きたら、すしざんまいもあるので、日本人にとってやさしい街だ。 どうりで日本人の海外移住先として、近年注目されているわけだ。

マレーシア全体の治安はなんとも言えないが、ペナン島に関して言えばすこぶる治安がいい。中南米の街を歩いて感じる殺気を一切感じなかった。治安のいい日本になれた弛緩した日本人が行っても、特に何も起こらないのではないだろうか? (ブエノスアイレスやブラジルのサルバドールなんて、ちょいちょい殺気を感じますからね。)

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特に刺激がある街だとは思わないが、リタイアした日本人たちがこぞって移住するのもわかる気がする。 久しぶりにまた行きたいと思った街だった。

最近は中南米ばかり行っているので、久しぶりにアジアの街を堪能した。 また近いうちに再訪したい。

タンゴ愛好者のためのブエノスアイレスの㊙︎情報:2016年版

毎年8月はブエノスアイレスでタンゴ世界選手権が開催されます。 よって、多くの日本人がブエノスアイレスを訪れるので、よく「ブエノスアイレスの歩き方」を聞かれます。だから、ここはひとつ日本のタンゴ愛好者の皆様に有益な情報を公開したいと思い、このブログを書きました。

1. ブエノスアイレスに行く前にダウンロードすべきマストなアプリ

(1)BA Cómo llego(ウェブ版)

アンドロイド版 iPhone版

ウェブでも見れますが、これは必ずダウンロード必須なアプリです。自分の住所と行きたい場所の住所を入力すると、地下鉄とコレクティーボ(バス)を駆使した行き方を自動で表示してもらい、さらに所要時間も表示されます。

(2)グーグルマップのオフライン地図をダウンロード

iPhoneの「Googleマップ」をオフラインで使い、海外旅行で通信せずに地図を見る!

詳しくは上記記事を参照してもらえればいいですが、iPhoneでもアンドロイドでもグーグルマップは現在はオフライン地図がダウンロードできるようになっており、「ブエノスアイレス」と検索して事前に必ずダウンロードしておくことをオススメします。GPSはインターネットに接続しなくても機能するので、Wifiがなくても現在位置が分かるのは本当に便利です。

(3) Hoy Milonga

これはタンゴ愛好者には必須なアプリです。毎日のミロンガの最新情報が見れ、また席の予約の際にかける電話番号、住所などもすべて一目で閲覧できるので非常に便利です。特に最近は政府によって、多くのミロンガが閉鎖されているので、当日ミロンガに行く前に再度情報を確認する必要があります。

2. ブエノスアイレスのインターネット環境について

8月はブエノスアイレスの冬に当たるので停電もあまりなく、比較的安定したネット環境です。Wifiは基本的にはどんなカフェやレストランでも利用できるので、日本とは比較にならないくらい便利です。(Wifiのパスワードを訊くときは「¿Cuál es la clave de wifi?(クアルエス デ クラベ デ ワイファイ?)」と訊いてください。)

またsimフリースマホを持っている人は、現地のsimカードを購入してネットに繋げることも可能です。simカードは500円くらいから購入でき、1000円くらいチャージしておけば2週間くらいは余裕で持ちます。simカードを購入するときは、アクティベーションをしているsimカードを買わないとあとでアクティベーションをするために別のストアに行く必要があります。またsimカードの購入の際は必ずパスポート原本を持参してください。

アルゼンチンには、Claro、Personal、それにMovistarという3大キャリアが存在しており、基本的にはどれも似たようなサービスを提供しています。

個人的に使ったことがあるのはMovistarとClaroですが、ネット接続のスピードに大差はありませんでした。simカードは各会社のサービスセンターで購入できるし、またパソコンストアなどでも販売しています。(こちらをクリックすると、Claroのサービスセンターが閲覧できます。ブエノスアイレス各所にあるので、お近くのサービスセンターでsimカードを購入するのが便利です)

3. タクシーの乗り方

ブエノスアイレスはsubteと呼ばれる地下鉄、それにColectivoと呼ばれるバスを駆使すれば、ほとんどの場所に行くことができます。しかし、2週間程度の短期滞在であるならば、タクシーを駆使したほうがストレスなしに移動することができます。ブエノスアイレスのタクシーはほかの中南米の国に比べると比較的安全で、タクシーの運転手もブエノスアイレスの地理に非常に詳しいのである程度は信頼できます。(公共交通機関を使う場合はSubeという日本のスイカのようなカードを取得する必要があります。これはパスポート持参すればキオスクなどで購入できます。)

ただ世界選手権の会場であるUsina del Arteは多くの人が滞在するであろうパレルモ地区からは遠く離れているので、まずは地下鉄に乗って各線の終点で降りてタクシーに乗るのが一番早く経済的です。サンテテルモ地区に宿泊しているのであれば、それほど遠くないので直接タクシーに乗って「Usina del Arte」と言えば連れて行ってくれます。(たまに「Usina del Arte」を知らない運転手もいますが、グーグルマップを見せれば連れて行ってもらえます)

Screen Shot 2016-07-27 at 10.34.51 (各線の終点を赤く囲ってありますので、そこで降りてタクシーを捕まえてください。)

タクシーに乗る前に行きたい場所の住所を調べておき、交差する通りの名前を覚えておきましょう。例えば、老舗ミロンガが開催されるサロンカニングに行くのであれば、「Vamos a Scalabrini Ortiz y Cabreraバモス ア スカラブリーニオリティス イ カブレラ)」と言ってください。

Vamos a 通りの名前 y 交差するもう一つの通りの名前」で行きたい場所に連れて行ってもらえます。住所を言っても結局はもう一つの交差する通りの名前を聞かれるので、事前に調べておいたほうが無難です。サロンカニングなど有名なところであれば、知っているタクシーの運転手もいますが、念のために通りの名前は控える、グーグルマップを見せる準備をしておくのがやたらとせっかちなタクシー運転手の機嫌を損ねないでしょう。

4. ブエノスアイレスのミロンガ情報

20代から40代ぐらいのそこそこ踊れる人は基本的にみんな同じミロンガに通っています。下記が彼らがよく行くミロンガです。住所や開催されるイベントなどの情報はミロンガやプラクティカに行く当日にHOY MILONGAで確認してください。当日キャンセルされたりすることもありますので。

月曜日:

(1) De Querusa (Práctica) 20時から深夜0時まで 日本にも先日来日したPablo y Noelia、さらにTanguito y Genoveraの2組のカップルが主催する有名なプラクティカです。週2回開催されており、木曜日は激混みですが月曜日は比較的空いており踊れます。

(2)La Bicicleta (Práctica) 23時から1時まで 年齢層はかなり若く、フレッシュな若者達で溢れています。ブエノスアイレスでは最近、ミロンガよりもこのようなプラクティカが多く開催されており、そのなかでも最も有名なプラクティカの一つです。最近、政府によって以前の場所が閉鎖されており、Hoy Milongaで最新情報をアップデートしてから行ったほうがいいでしょう。

(3)Parakultural 23時から4時まで コアな人たちはLa Bicicletaが終わってから、サロンカニングで開催されるこのミロンガへと流れます。La Bicicletaはちょっと若すぎるという人たちは最初からこのミロンガに参加するのがいいでしょう。

火曜日:

(1)Cachirulo en el Beso 21時から3時まで 男と女の熱きバトルが繰り広げられる場所です。El Besoというサロンカニングに次ぐ老舗ミロンガが開催される場所で開催され、カベセオ(身振り手振り、あるいは視線だけ)で男性が女性を誘う場所です。席を予約するときも、カップルで行くときは女性と男性別々に座ったほうが、そのガチバトルが楽しめるでしょう。(カップルで座ると、あまり女性は誘われない可能性があるので要注意です)

なにせ男性、女性が向かい同士で座らせるので、カベセオ合戦が常に繰り広げられています。

(2)Parakultural El BESOはミクロセントロと呼ばれる地区にあるのでパレルモからは距離があります。EL BESOまで行くのは面倒くさいという人や、「ガチバトルは面倒くさい」という人はこちらをおすすめします。

水曜日

(1) Cheek to Cheek (Práctica) 21時半から1時半 ここも比較的踊りに自信のある若者たちがよく行く人気のプラクティカです。けっこうスカした男女が多いので、友人知人と行くことをおすすめします。

(2)Fruto Dulce Tangos 22時半から2時半 非常にトラディショナルなミロンガで、ある意味閉鎖的なミロンガです。年齢層は比較的上で多くの常連が通っているので、内輪ノリが嫌な人にはおすすめしません。ただ、腕に自信がある男女であるならば、挑戦する価値があるかもしれません。

(3) La Viruta (Práctica) 深夜0時から4時まで 言わずと知れたブエノスアイレスで最も有名なミロンガ(プラクティカ)のひとつです。色々なイベントも開催されており、HPをチェックしていくのがいいでしょう。週末を夜中の3時を越えると無料で入場できるので多くのダンサーが集まる場所です。水曜日は早めに終わることもあるので、早い時間から混んでいます。(深夜0時が早い時間というか微妙ですが。ちなみに水曜日に行ってとても楽しい思いをしたので翌日の木曜日に行ったら、閑散としていたことがあります・・・・曜日によってここまで違うとは恐るべしですね)

木曜日: (1)De Querusa (Práctica) 20時から深夜0時まで

大会期間中は足の踏み場もないほど混みます。それが嫌ならば家で寝てから、みんなが次に行くLa Milonga de los Zuccaの開催時間まで英気を養いましょう。ちなみにこの二つのミロンガは提携しており、De Querusaで「La Milonga de los Zuccaに行く」と言うと、入場料が半額になるLa Milonga de los Zuccaのフライヤーをくれます。くれない場合はTanguitoのおっさんがそのへんに歩いているので、彼に言ってもらいましょう。(ちなみにTanguito先生は去年の世界選手権の決勝の審査員も務めた有名なダンサーです。以前から彼のクラスを取っていますが、とてもいい先生です)

(2)La Milonga de los Zucca 22時半から4時まで

ライブバンドが演奏したり、有名なダンサーのデモがあったりする素敵なミロンガです。混むので席の予約は必須でしょう。ちなみに席を予約をするときは「Me gustaría reservar una mesa para dos.(席を二人分予約したいのですが)」と言えば予約できます。携帯のテキストメッセージでも予約できるので、便利です。予約番号はHoy Milongaで確認してください。11時までに行かないと予約は取り消しと言われますが・・・・運が良ければ席がまだある場合もありますのでそのへんはアバウトです。

金曜日: 金曜日と土曜日は比較的ばらけます。みんながこぞって行くこれというミロンガがなく、好みが分かれます。唯一、みんな行くのが土曜日深夜のLa Virtaでしょう。

Cheek to Cheek (Práctica) 15時から19時まで 夕方から開催される人気のプラクティカで、働くことを放棄した若い男女の多くが参加しています。まあ、何度も言うようですがスカした男女が多いです。

El Bailongo de la Glorieta 20時から23時30分まで 好きな人は好きなオープンエアなミロンガです。「El Barrio Chino(中華街)」があるベルグラーノ地区で開かれており、パレルモに滞在している人たちにとってもそれほど遠くないので一度は行ってみる価値があるミロンガかもしれません。また女性一人でも踊ってもらえる確率が非常に高いミロンガです。

Yira Yira 23時から4時まで 年齢層はかなり高めで、場所はLa Milonga de los Zuccaと同じ場所なので、木曜日に行った人は金曜日も行く必要はないかもですが、いかなかった人は行く価値はあります。建物自体とても歴史的な建物で、ここで踊ること自体素敵なことかと。(ただこの地区は非常に危険な地区なのでタクシーで行ってタクシーで帰ることをオススメします)

Dos Orillas (Práctica) 23時から3時まで 自分の家から近いという理由でよく行くプラクティカです。ただよく閉鎖されるので、Hoy Milongaで最新情報をチェックしてください。普通のマンションの一部屋で開催しているので完全にアウトな感じがしますが、閉鎖されてもなぜかいつの間にか復活しています。Carla & Gasparのデモをここで偶然見たこともあり、運が良ければいいデモが見れますが悪ければ閑散としています。

GNC (Práctica)  22時半から4時まで 以前、Dos Orillasが開催された場所で開催していたプラクティカですが、いつまにか場所を変更されて開催していました。地元の人が比較的多くアットホームなプラクティカです。なんとなくまったりとしていて、雰囲気はけっこういいです。

土曜日: Practica DNI (Práctica) 16時から20時まで DNIという有名なタンゴスクールが開催される週1のプラクティカです。基本、いつも激混みなので、疲れます。年齢層は非常に若いですが踊りたそうにしていれば、けっこう踊ってもらえる場所なので、お一人様の女性にはオススメです。(若くなくても若く見えればOKっす)

Milonga Abierta (La Glorieta) (Práctica) 19時から23時まで 例の好きな人は好きなオープンエアな公園で開かれるプラクティカです。場所は同じでも、オーガナイザーが違うので客層も少し違います。座る場所もないので基本立ちです。ただ女性一人で行っても踊ってもらえる確率はかなり高いです。

Cachirulo 21時から4時 例のガチ・カベセオのミロンガです。開催場所はObelisco Tangoで火曜日とは違う場所です。オーガナイザーのおっさんはいつも喋りすぎですが、悪い人ではないようです・・・たぶん。

Las Morochas 22時半から4時半 El Besoで開かれるかなり年齢層の高いミロンガです。僕のミロンガデビューはここでした。まあ、おばさん、おばあちゃんに揉まれながら最初はうまくなっていくものです。あと違うルートは、La Catedralという観光客とタンゴ初心者が集まる場所で腕を磨くルートです。ただEl Besoのほうが床はいいし、踊りやすいので好きです。

Tango Club 22時半から5時まで 以前から僕が習っているJulio Bassanというおっさんがオーガナイザーをしているミロンガです。以前は、Milonga10という若者で賑わう超人気ミロンガが開催されていた同じ場所で開催されていることもあり、客層も若くまた踊れる人が多いです。

La Viruta (Práctica) 深夜0時から6時まで 深夜3時から入場無料なので、ブエノスアイレス中のダンサーが一堂に会する場所です。毎週土曜日はほかのミロンガが行っていても最終的にはみんなここにたどり着きます。そんな場所が日本にもあればいいですね。

日曜日:

Viva la Pepa 22時から2時まで パレルモ地区に滞在しているのであれば、日曜日はここに行って、深夜2時からはLa Virutaに行くというのが定石のコースです。ほかの選択肢はないくらいみなさんそのコースです。

番外編:

(1)La Catedral 毎日タンゴクラスがあり、そのあとミロンガが開催されている。観光客と初心者が多いですが、雰囲気は面白いので覗いてみてもいいミロンガです。時間はHPで確認してください。

(2) Bar Los Laureles 映画「ラストタンゴ」の撮影に使用された老舗のタンゴバーです。木曜日、金曜日、土曜日にミロンガは開催されてはいますが、友人知人と一緒に行って食事しながら、まったりする場所です。

タンゴ愛好者であるならば必見のElina Roldanの「Mi tango nació en Sarandi」という映像の撮影場所にも使用されました。ちなみにTanguito先生も出演されています。

5. タンゴスクール情報 スクール名をクリックすると、各スクールのホームページおよびFACEBOOKページに飛びますので場所や時間などはそちらで確認してください。

(1) DNI 外国人に最も人気のあるタンゴスクールです。英語とスペイン語の両方で教えてもらえるので、スペイン語ができない方にもオススメできます。またグループレッスンもレベルごとに分かれているので、初心者以外はTango3以上のクラスを取ればそれなりに楽しめます。ただビデオ撮影は許可されていないのが残念です。

(2) Escuela Argentina de Tango 踊れる外国人女性にどこでクラスを取っているか聞くと、比較的にここで取っている人が多かったので、何度か行ってみたところ確かに先生にもよりますが、非常にいいスクールです。パレルモからは遠いですが、地下鉄の駅のすぐそばでアクセスは非常にいいです。

(3)Mariposa サンテルモ地区にある有名なタンゴスクールです。パレルモからは遠いので数回程度しか行ったことがないですが、素敵なスタジオです。

(4) Clase de Tango Andres Cejas Genoveva Fernandez 場所:Carlos Calvo 3745 日時:毎週火曜日と金曜日の19時半から21時半まで

数年前からブエノスアイレスに行くたびに通っているクラスです。音楽性と華麗なステップが学べますが、基本的に地元の方々が多いので、なるべくダンスパートナーと一緒に行ったほうがいいですね。あと水曜日には上級クラスも開催されていますが、場所は違う場所なのでFBで確認してください。

では、みなさん世界選手権でのご活躍祈っております。

謎の上から目線と下から目線:三宅洋平さんについて

最近、SNS三宅洋平という人がよく上がってくるので、彼の演説をユーチューブで見てみた。

外国語の勉強のために海外の政治家の演説や国会中継などは見たことがあったが、日本の政治家の演説をまともに見たのは初めてかもしれない。文化の違いもあるが、海外ではとかくなんでも演説をぶつので、その内容はさることながら、「聞かせる技術」というのは発達している。

「頑張れ」謎の下から目線。 そういう観点から見ると、思わず見てしまう演説のうまさもさることながら、上記の言葉のように三宅さんはなかなか日本人の本質を言い当てているなと思う。 (忙しい人にも演説の全文文字起こしもあるよ)

一貫して、「自分は頭も良くないし、間違っていることもあるだろうし、自分のすべての意見に賛成してもらえるとも思っていない。でも一緒に立ち上がろう」と呼びかけているのは好感が持てる。

政治家に本当に必要なのは、頭の良さやお金や品行方正な正しい精神ではなく、ビジョンだ。 今までビジョンもなく、ただ親のコネや周りの声だけに押されて政治家になった人たちが多すぎると思う。

三宅洋平氏を支持できない理由。

「政治のことは何も知らないけど、三宅洋平さんで初めて興味を持ちました!応援します!」という人たちに、一つだけ伝えたい重要なこと

そして、高知と東京から予定調和のようにさりげなく批判が届いています。 三宅さんが掲げる「教育の無償化」「福祉の充実」を実現した国のひとつとして、僕が住んだ絶賛デフォルト中のアルゼンチンがありますので、ガタガタ震えながら彼の政策を聞いてはいます。

我が第2次安倍内閣世襲議員率50%は何を意味するのか考察する

ただ一点、三宅洋平さんを擁護する点があるとすれば、「多様な社会」を目指していることであり、また彼にはビジョンがあることです。日本の政治家の約3分の1は世襲議員であり内閣に至っては50%も世襲議員なので、それが彼らのビジョンのなさに直結しているのではないかと思っています。親の後を継いでいるだけで、ビジョンがあって政治家を目指したわけではないという。

三宅さんは陰謀論が大好きで、居酒屋で熱く「世界平和」を語るうざそうな中年男子だとは思いますが、声をあげて立ち上がって現状に関して危機感を抱き変化を起こそうとしているのは素晴らしいことではないかと思っています。

まだ東京で消耗してるの?」と謎の上から目線で高知から批判されるは謂れはきっとないのだろうなと思う今日この頃です。

正しい歳の取り方とは?:東京タラレバ娘

昨日、高校の同級生たちと会った。 お互い20年くらい音信普通だったが、フェースブックで繋がって、メキシコに住んでいるときに彼らの一人を案内したのが縁でなんとなくまだ繋がっている。

僕たちは校則も服装も自由で有名な私立和光高校という高校に通っていた。 バイク通学禁止なのにバイク通学したり、教室でタバコを吸ったりと、なんでもありな高校だった。当時から「自由のはき違い」と先生たちが声高に叫んでいたが、きっと今でも先生たちは同じことを言っているだろう。 (ちなみにうちの母親も和光で、姪っ子も和光に通っている和光家族だ。)

僕たちのクラスは、毎年5人くらい退学か留年をし、代わりに5人くらい入ってきたので、40人クラスだったはずだが合計すると60人くらい同じクラスに所属していたことがある中々アクティブなクラスだった。

そういえば、服装自由なのになぜか学ランで来ていたやつがいて、入学後一週間で問題を起こして退学したツワモノもいたファンキーな高校だった。

そんな学校に行くとたいてのやつはサラリーマンは務まらないので、結局自営業を営むことになる。かくいう自分もそのうちの一人だし、うちのクラスには5人くらいフリーランスのカメラマンがいるという話だ。(昨日一緒に飲んだ3人のうち一人はパン屋、もう一人は雑誌の記者、そしてもう一人はカメラマンだ)

そんな僕らもいい中年になったわけだが、一人だけ独身の女性がいたので、彼女の恋バナを一通りみんなで聞いた。

彼女は去年、21歳の男の子に恋をしたらしい・・・・そうなると仮想敵は18歳から25歳の若くて美人な女性たちで、41歳の独身女性が勝てる見込みは限りなくゼロに等しい。

だったらどうすればいいのかと訊かれたので、「自分を磨くか、土俵を変えればいい」とハイボールで若干酔った頭でそう答えておいた。僕の女友達で、数年前からパリに移住して今ではフランス語ペラペラとなり、フランス人男性をゲットしたアラフォー女子がいる。これは自分も磨いて、土俵を変えて成功した好例だと思う。

でも現実的に考えて、40歳を過ぎた女性が自分を磨くのはそう容易ではないのは確かだ。新しい外国語習得は毎日勉強しても数年かかるだろうし、エステや美容に走ったところで若い女子には敵わない。

東京タラレバ娘は「タラレバばかり言ってたら こんな歳になってしまった」33歳女子3人の話だが、それよりももっと上の世代が読むと、さらにイタイ話のオンパレードだ。海外だと年齢はそれほど重要視されないが、日本だとほとんどの場合、まず一番最初に訊かれる最重要事項のひとつになっている。

美よりも才能のほうが長持ちする」とオスカー・ワイルドは言っていたが、21歳男子に無謀な戦いを挑むような同級生に送る一番正しい言葉は同じオスカー・ワイルドの「自覚されたことはすべて正しい」という至言かもしれない。

東京タラレバ娘にもあったが、東京に住んでいる女子が田舎に行くと、「あらー、女優さんみたいね」と言われることもあるし、アラフォーでも50歳男性から見れば若い。土俵を変えて、さらに自分も磨けば勝てる戦はあるだろう・・・・と思う。

正しい地球の歩き方

これから夏休みに向けて、多くの人が海外旅行の計画を立てていると思う。 そんな人のためにいくつか役に立つような「旅のヒント」をここに書き記したいと思う。

1. ググレカス

海外ではこれは鉄則だ。 これは他者に向けたものではない、自分自身に向けたものだ。

どういうことかと言うと、海外では大抵の場合、人に聞くよりはグーグル先生に聞いた方が正確だし、早い。

ひとつ例をあげよう。 つい先週までキューバに滞在していたが、キューバ人のガイドにオススメの場所を聞いて、その場所に行ってみることにした。

YES

しかし、自他共に認める旅の猛者であり、50カ国以上の国々を旅歩き、海外生活10年近くを誇る自分は、ホテルのフロント、バーのスタッフなどある程度信頼できるそうな人たちに、その場所はどういうところか、その日はオープンしているか、きちんと確認した。

合計3人から「今日はちょうど今からオープンしているし、ほんと素晴らしいところだから行く価値がある!」と言われてタクシーを飛ばして行ってみたが、店は閉まっていた・・・・ググレカス

キューバのようにインターネットに接続するのが困難な場所であっても、やはり事前にグーグル先生に聞いておくべきだったと激しく後悔した。

2. 海外では道を尋ねるな

18歳の頃から、海外で一人旅をしているが、旅を始めた最初は外国人に道を尋ねることがひとつの挑戦であり、刺激ある体験だった。ドキドキしながら、外国人に英語で話しかけたことを今でも鮮烈な記憶として残っている。

それが20年以上経つと、「あのアメリカ人いい加減そうだから、聞くだけ無駄だな」とか「メキシコ人に道聞いたら、Para allá (パラ アジャ:あっち!)と言われるだけで、どっちだよ!という話になるだけだな」とか思うだけで、最終的にグーグルマップを頼りに街を闊歩することになる。

外国語で道を訊くぐらいで、ドキドキすることもないスレた大人になってしまったということだろう。

インターネットに繋げないキューバのような街でも事前にオフラインマップをダウンロードしておけば、GPSは機能するので特に苦労することもない。

旅におけるひとつの体験として、人に何かを尋ねたり、道を訊くのはいいとは思う。 しかし、その体験をある一定以上こなすと、こちらの忍耐力も限界に達し、GPSやグーグル先生のほうがよほど頼りになるので、「スマホが旅のお供」という事態に陥ってしまう。

3. アメリカでのトランジットには気をつけろ!

自由と平等の国であるアメリカでは、「外国人は全員テロリストと思え!(嘘)』という法律があるらしく、入国検査や税関で多くの人が辱めに遭う。一番の問題はただの乗り継ぎなのに、チェックインした荷物を一度アメリカの空港でピックアップする必要があることだ。そして、最終目的地の搭乗券を発行されていなかったら、またチェックインカウンターに行って長蛇の列に並ぶことになる。

今回、キューバからの帰りは、ロサンゼルス経由で5時間もの待ち時間があったが、羽田までの搭乗券がなかったので、長蛇の列に並ぶ羽目になり、時間がほとんどなくなり、本当に焦った。(また入国検査では、ESTAを保持している人は機械(キオスク)で入国検査をまず行い、それから審査官がいるブースに行って発行された紙を持っていかねばならなかった・・・・あの機械はなんのためにあるのか疑問だ)

アメリカでのトランジットには最低でも90分から2時間はかかると思って、余裕を持って、挑んだほうがいい。

4. 正しい旅の楽しみ方

当たり前のことだが、海外では日本の常識は通用しない。 だから、3人の人に訊いて、同じ答えが返ってきても、間違っていることがあるのだ。その際は、素直に自分が悪かったと思って、同じ過ちを繰り返さないように気をつければいい。

ちなみに行ってみたキューバの店は「木曜日から日曜日が営業日」であり、行った日は水曜日だった。もし次回、同様のことを訊く機会があれば、「今日は水曜日ですが、この店は水曜日でも営業していますか?」と訊くべきなのかしれない。

だが、ラテンの人々はきっとそれでも同様の返事を返すだろう・・・・ググレカス