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旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

Travel, Time, Morocco(6)

個展が始まった。 オープンニングパーティーには大勢の人が来てくれて、大盛況だった。 この場を借りて、御礼を申し上げます。

[caption id="attachment_4677" align="aligncenter" width="300"]Morocco 2006 Morocco 2006[/caption]

これがはじめての個展だ。 今まで何回か個展をやろうと思ったことがあったが、決断するまでには至らなかった。 今回は様々な偶然が重なり、モロッコから帰国してわずか四ヶ月のうちに個展が開催されることになってしまった。 勢いというの非常に大切だ。

色々な人から、フィードバックがあり、ためになる。 本当はこういう写真が撮りたかったのだなと痛感した。 写真を始めた頃はお金に目がくらみ、ファッションなどの商業的な写真に目がいってしまったが、写真を始めた理由はもっと純粋な動機だ。

自分自身だけでは満足できないのだと思う。 自分が考えていることや感じたことを、ほかの人々と共有したいのだ。 その手段として、たまたま写真を選んだ。

写真というメディアの一番の特徴は、それはあくまで現実であるという縛りだ。 作為性がある写真も多々あるが、それを突き詰めていくと絵画と同じような表現手段になる。そうなると、絵を描いたほうがよほど効率がいい。

アンリ・カルティエブレッソンは「決定的瞬間」という写真集で一世を風靡した。 写真というメディアを端的に表しているタイトルだと思う。 それはあくまで瞬間であり、それ以上でもそれ以下でもない。

写真はストーリーを見る人に感じてもらうには最適なメディアだ。 ストーリーを語らせるということになると、映画や小説の世界になってしまうが、写真は一枚の写真から全体のストーリーを内包するだけの力があるメディアではある。

解釈は苦手だ。 感じてくれればいい。 僕が撮った写真を見て、その人々がモロッコへ行って気分になったとしたら、それは僕の意図が成功を収めたということだ。