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旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

ワールドカップ初勝利!海外での評価

4年に1度のお祭、FIFAワールドカップが開幕し、昨夜日本が記念すべき1勝を挙げた。高校の頃、僕はサッカー部だった。そんな僕は深夜帯でサッカー中継をよく見ていたが、当時の日本サッカーを知る人間として、日本がよもやカメルーンのような強豪にワールドカップという大舞台で勝利することができる日が来るなんて、夢にも思わなかった。

両チームが入場するときに、ピチピチのユニフォームを着たカメルーン代表の面々が映し出されていたが、日本代表の面々とは明らかに違うレベルの筋力とバネを持っていた。個々の勝負では相手にならないだろう。しかし、サッカーは集団スポーツだ。1足す1が、3にも4にもなる、それがサッカーの醍醐味だろう。あんなに体格の差があるにも関わらず、ワンチャンスをものして日本はカメルーン相手に勝利するという番狂わせを演じてしまった。

カメルーンの出来の悪さにおおいに助けられ、特に右ウイングにエトーを配置するという愚かなフォーメーションのおかげで、カメルーンは得点のチャンスがほとんどなかった。
エトーにはサイドで何度か突破されたが、あれがバルセロナインテルのときのように中央でプレーしていたら、結果は違ったものになっただろう)

世界のこの結果に対する評価に興味があったので、イギリスの新聞の記事を調べてみた。

1. 英国インディペンデント紙の記事 

There have not been many surprises at this World Cup but this probably counted as the biggest shock so far.(今回のワールドカップではそれほどの多くの驚きはなかった。しかし、この結果は今までのなかでは最大の驚きだ)

という文で始まるが、最後は「This was their first World Cup victory outside their own country and there were some who might have been happy to return home with just a point.」(この結果は日本にとって海外で開催されたワールドカップで初めての勝利であり、二敗一引き分けという結果でもハッピーな気持ちで帰国するファンがいたはずだ)

で締められている。ようは3ポイント(勝利)取るなんて日本のファンにとっては僥倖以外なにものでもなく、これ以上の結果は今大会においては望むべくもないと言いわけだ。暗にこれであなたたちはウルトラハッピーで国に帰れるでしょうということを示している。

2. 英国ガーディアン紙の記事

"This game is so soporific I am actually contemplating watching the James Corden World Cup Bonanza on ITV Player to keep me awake," writes John Reid. Don't be so ridiculous, man. Nothing's that bad. (このゲームはあまりに眠気を催すから、ITVの「James Corden World Cup Bonanza」を見て、なんとか寝ないようにしようかと考えているとジョン・ リードは書いている。おいおい、馬鹿なこと言うなよ。あれより最悪なものなんてないだろ)

これは記事というよりはツイッター的なつぶやきに近いので、かなりカジュアルな内容だが、それにしても言いたい放題だ。だが、自国以外の国がこんな試合内容でゲームを繰り広げていたら、確かにチャンネルを変えるか、ネットでもしながらぼんやり聞いているだけの試合だったかもしれない。

「ベスト4」を宣言している岡田監督に対して、イギリスのジャーナリズムは「あほか」という論調が多く、それが日本に対しての厳しい見方に繋がっている一面もある。

岡田監督の今回の布陣は「対カメルーン」のために徹底的に考えられたものであり、次戦どのような戦いをするのか全く見えない。かといってコンディションが上がらない中村俊輔を入れて、オランダに対抗できるわけでもない。結果、スタメンは同じメンバーでいき、後半は様子を見ながらマイナーチェンジしていくのだろうか。

今回の戦いでも岡田監督が徹底したリアリストであることが分かったので、次戦のオランダ戦はいわば捨て試合であると彼は認識していると思う。そうなるといかにデンマークに勝つかいうことが焦点になってくる。(日本に負けたカメルーンがオランダに勝つ可能性は限りなくゼロに近く、オランダが予選リーグを突破することは自明の理なので、残り一枠はデンマークと日本の争いになる)

いずれにせよ、次戦はとにかく守りに守って、失点数をいかに少なくするかだろう。最後はデンマークとの争いになることを考えると、2点以上は失点したくはないが・・・・・あの早くて強いアタッカー陣を防ぐ手立てがあるのだろうか。今回のようにワンチャンスをものにする可能性もあるにはあるが、もしそれが出来たらイギリスのジャーナリストも岡田監督の「ベスト4」発言を馬鹿に出来なくなるだろう。