Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

自虐的な日本人についてふと思ったこと

日本は平和な国だという。 たしかにそう思う。

平和な国という定義はなにかというと、中南米、南米で4年過ごした経験からいうと、「他者を信頼できる」ということから来ているのではないかだろうか。

悪人はどの世界でもいるし、当然日本にもいる。 しかし、一般的な人々、日々一緒に生活をともにしている人々で、それほど悪事を働く人々をこの日本ではあまり見かけない。

南米は隙あれば、誰もがスリにも窃盗にもなる。 とくにブエノスアイレスでは、ふつうのおばさんやおじさんが相手のちょっとした隙を見て、物を盗もうとする。スマホやカバンをテーブルに置いたまま席を立つと、あの地では100%盗まれる。

メキシコシティはそこまで危険ではないが、なにせ「宵越しの金は持たない人たち」が多いので、問題解決能力が驚くほど低く、悪意はないのにあまり信用できる人たちがいない。

日本では黙っていても、物事が何事もなく過ぎていく。 それがなんだか不思議な気がする。

常識」や「他者の目」に縛られているから日本人は模範的な行動すると思われているが、311のときに自分の生命が脅かされているときや、誰も見ていないところでもパニックにならずに行動して世界中の注目を集めたのは記憶に新しい。 (地震がほとんどないブエノスアイレス震度5程度の地震が起きたら建物のすべてが崩壊するだろうし、それよりも我先にと逃げる人が後を絶たず、多くの被害が出ることが想像できる)

海外を知れば知るほど、日本人がいかに特殊な人間かよく分かる。 自己批判が好きな日本人は、「日本のガラパゴス化」を騒いでいるが、むしろ「ガラパゴス万歳!」だ。

これだけ安価でおいしいものが食べられ、平和で暮らしやすい国はそうそうない。世界50カ国近くを旅して、海外に合計10年近く住んだ今はそう思う。

もちろん、アルゼンチンのように鎖国化すると生活レベルで何もいいことがないのは実体験で知っているので、これからどんどん世界に出るしかないと思う。ただその際に下手に相手に迎合するよりは、この素晴らしいガラパゴス文化である高品質なサービスと高い信頼性は失わないで欲しいと思う。

客観的に見て、アルゼンチンはひどい国だ。目下、絶賛財政破綻中だし、インフレ率は年30%近くになり、治安はすこぶる悪い。ついでに言うとアルゼンチン料理なんて日本料理の繊細な味に比べるとひどい代物だ。(おもに肉を焼くだけという豪快な料理だ)

それでも多くのアルゼンチン人は「アルゼンチンが世界一の国であり、アルゼンチン料理は世界一おいしい」と思っている。無知だろうが、客観性の欠如だと言われようが、彼らは変わらない。

傲慢と思わない程度に「自国の文化に誇りを持つ」というのは精神衛生上とてもいいことだ思う。その証拠にラテンの人々はいつもとても幸せそうだ。

英語が出来なかろうが、「RとLの区別がつかない」と言われようが、日本の文化はとてもユニークで世界で非常に稀である事実は変わらない。それほど卑下することなく、もっと堂々して、外国人とこれからコミュニケーションを取っていけばいいと思っている。