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旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

白人至上主義者が羨む街、東京:ブエノスアイレスにて

たまたま知り合った人の結婚パーティーが近所で開催されていたので、土曜日の夜に行ってきた。屋上のテラスで音楽をがんがん鳴らしながら開催していたので、隣近所の人たちのことが気になり、そこに居合わせた人に訊いてみると「朝5時くらいまで当たり前だから、大丈夫じゃない」と無責任な答えが返ってきた・・・・

結婚するのはアメリカ人男性とアルゼンチン女性のカップルだったが、圧倒的に外国人が多く、会話はほとんど英語だった。

いつもこういう場所で英語を話す機会にめぐり合うと思うのだが、リスニングスキルが一番難しい。音楽ががんがん鳴り響き、その上アルコールが入ったうえでの会話なので、集中力を保つことが難しいからだ。

また日本人はビジネス会話、ビジネス会話としきりに言っているが、「音楽ががんがん響きわたるなかで、ワインを飲み交わしながら、気の利いたセリフを言うこと」のほうが言語学的には断然にハードルが高い。

仕事上での英語なんてものは、お互い利害関係が絡んでいるし、共通の知識の上での会話なのである程度成立するが、初めて会う人たちと飲み交わしながらの会話は、相手の話をきちんと聞かないといけないのでけっこう面倒くさい。

しかし、ブエノスアイレスで出会う外国人と知り合うたびに思うのは、みんなやりたい放題だなということだ。昨日、少し話したニュージーランド人は5年間くらい上海に住んだ後は、「なんかバブルな感じに嫌気が差した」とのことで、ブエノスアイレスに住み着いたとのことだ。日本だと「東京に嫌気が差して、田舎に帰る」というのは一般的だが、上海→ブエノスアイレスという自分のなかで新鮮だった。

また以前行った「起業家パーティー」の主催者の人と再会し、彼とも色々と詳しく話をした。彼はブエノスアイレスに住んで5年ほどになるのだが、以前に会社を売却したお金でまたブエノスアイレスで起業し、ようやく5年目で初めて黒字化に成功したのだという。

起業は華やかな面だけが取り沙汰されているが、どの場所でもやはり苦労が大きいのだなと思う。

彼はエリックさんというのだが、東京の高尾に1年ほど住んでいたことがあり、日本語が少し話せるということだった。やはり、ブエノスアイレスくんだりまで来る人達は、世界中をダイナミックに動いているのだなと思った。(またちなみにこのパーティーでも唯一のアジア人でした・・・・・)

ただそれにしても、「日本人」と言うと非常にみんなの食いつきがいい。少し話したアルゼンチン人の女の子は建築を勉強しているので、「日本の建築は本当に素晴らしいから、ぜひ一度日本に行きたいと思っている」と言っていた。安藤忠雄のようなモダンな建築もいいけど、もっと古い木造建築に興味があるらしい。

アルゼンチンやウルグアイは白人至上主義者が多いから人種差別があると風の便りで聞いたことがあるが、実際に体験したことはない。どちらかと言うと、「スーパークールな東京のような街に住んでいながら、なんでブエノスアイレスくんだりまで?」という自分たちを卑下する人たちのほうが多い。

この「日本ブランド」がいつまで続くが分からないが、続いているうちに海外生活を満喫するのは悪くない選択だなと思っている。