Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

ラマダンに思いを馳せつつ、日本とアルゼンチンのことを考えてみた

おととい、いつもの朝のスペイン語レッスンを終えて、「昼ごはん、何食うか?」と考えながら、行きつけの八百屋に寄ってフルーツサラダや野菜を買ったら店の主人に「日本、強いな」と言われた。

なんのことだか分からず訊いたら、店に置いてあるテレビを指したので見たら、オリンピック代表の男子サッカーがやっていた。(もう違う試合だったけど)

「スペインは何も出来なかったよ、日本、運動量がすごいな」と言われて、日本代表があの世界王者スペインに勝つという歴史的瞬間を見逃したことに気づいた・・・・・この歴史的事件をブエノスアイレスに住むボリビア人に教わるという間抜けな自分にびびったのも事実だ。

ここブエノスアイレスはすっかり冷え込み、最低気温は5度前後なので、夏季オリンピックがロンドンで開かれているという事実が遠い世界の出来事のようだ。FACEBOOKのタイムラインに溢れる日本の友人たちの夏模様からは、ほど遠い現実にいる。

日々インフレが進み、このあいだ中華街に行ったら、辛ラーメンがひとつ240円ほどするという驚愕な事実に卒倒しそうになったけど、毎日楽しく過ごしています。(ちなみにブエノスアイレスに来た一年前は80円ほどだった)

毎週金曜日には高城剛氏のメルマガが届くのだけど、そのメルマガにアルゼンチンのことが言及されており、「再度の財政破綻はもう間近」と書いてあった。まあ、世界経済危機の中心にいるスペインのイビサ島でDJしている人に言われたくはないなというのが本音だけど、当たらずも遠からずという感じもする。

海外に住むということは、日本よりはるかにリスクが高い。特に驚異のインフレ率を誇るアルゼンチンのような国に住むのは、死ぬほどリスクは高いと思う。 

ただ海外に住む場合、リスクというのは目に見える形で訪れる。治安だったりインフレだったり、言葉の壁だったり、どれも分かりやすいものだ。だが、日本に住み続けるというのは、ある意味目に見えないリスクを背負うことになる。変化というものに無頓着になり、言ってしまえば「変化をよしとしない」日本的な慣習に染まってしまう。

人生に何が一番怖いかと問われたら、たぶん「変わらない自分」と答えるだろう。本当に優れた人間というのは、どこにも行かず内的な変化を起こし偉業を成し遂げるのだろうけど、そんな人とはほど遠い自分はせっせせと外部環境をなるべく変えて、自分に無理やりでも負荷をかけて、変化を起こそうとしている。

経済危機や財政破綻などは正直、自分にとってはどうでもいいことだ。大事なのは、それらが実際に起った時にどのような行動を取るかだと思う。だから、なるべく日頃から高負荷を自分にかけて、そのような重大な変化に対応出来るように準備をしておきたい。

世の中には色々な出来事を想像して、それらが起こったらどうしようと心底心配している人たちが多い。でも、本当に怖いのは何も起こらない人生だということを自覚しておいたほうがいい。そして、真に大事なのは外的な出来事ではなく、それらに対して自分がどのような行動を取るかということだ。それによってその人の価値は決まってくる。

自分の不幸な生い立ちや境遇を嘆き悲しむのではなく、そこからどのような行動をするかということなのだろう・・・・・きっとアルゼンチン人の人たちが面白いと思うのは、彼らは自分たちの境遇に文句を言いつつも、なんだかんだいって楽しんでいるからだろう。

きっと人はその気になれば、誰からも何からも学べるのだろう。

ラマダン中(断食中)のモロッコ代表に負けたら、お笑い草だなサッカー日本代表」と思いながら、今日ふとそんなことを考えた。