Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

ピダハン:それでも人生は続く。

最近のマイブームは少数民族だ。

というと、なんだか頭のおかしい人みたいだが、実際その通りなので、返す言葉もない。きっかけは、敬愛するミルトン・エリクソンだ。

 

ただ、これも「心からミルトン・エリクソンを敬愛しています!」と私生活でそんな人にあったら、絶対に友達にはなりたくないと思うだろう。だから、自分の趣味嗜好が世間一般的には相当ずれていることは十分に自覚はしている。(そもそも、タンゴ好きという時点でアウトだと思うし。)

 

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エリクソンの本にヘヤー・インディアンが紹介されていたので、ふと彼らの生活が気になり、この本を買ってみた。すると、その世界観に圧倒された。

 

そして、ライターをしているお客様からピダハンを教わった。

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我が家ではすっかりピダハンブームが訪れ、毎日のようにピダハンの話をしている。(主に自分が妻にピダハンの面白エピソードを話しているだけだが。)

さらにそれだけでは飽き足らず、サロンに来るお客様や友人にも手当たり次第話しているほどだ。ピダハンの話をすると、なぜか心から楽しくなってしまう、そんな素敵な少数民族だ。

彼らは自分たちが地球上で最上の部族だと信じており、頑なまでに新しい文化を取り入れようとしない。なぜなら、最上は彼らであり、他の文化のものを取り入れる必要性を感じないからだ。

 

そしていつも笑い、お互いにスキンシップを取って、常に楽しそうだ。彼らにこそ「幸せ」の秘密が隠されているのではと思う。

 

この二つの本は、文化人類学と言語学の専門家が書いた本なので、人によっては取っ付きにくいかもしれない。その場合、下記をお勧めする。

 

天を味方につける生き方 | 山納 銀之輔 |本 | 通販 | Amazon

 

世界中に自給自足できるエコヴィレッジを作っている山納さんの本だ。内容はとても示唆に富んでいるが、これはあくまで個人的な体験談なので、客観性はない。そういう意味では、その世界の専門家たちが書いた本の方が、説得力はあるかもしれない。

いずれにせよ外来の文化を受けず、純粋培養された状態で人間はどのような行動を取り、価値観や文化はどう育つのか分かるのが興味深い。

 

そのようなテーマで書かれた小説が、伊坂幸太郎氏の「逆ソクラテス」だ。

 

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深読みすると共通したテーマが見えてくるが、伊坂氏の小説のテーマは「先入観のうえつけ」「テレビや映画の世界では勧善懲悪の世界観を押し付けるが、実際の世界では善が悪に勝っても両者ともにその後は共存しないといけない。

およそ、この辺りかもしれない。

 

特に学校教育の場では、とかく先生が権力を持ち、自分の主観を押し付けてくる。そして、家庭では両親の先入観や思い入れも強烈かもしれない。

 

うちの家族の場合、今でもはっきりと覚えているが、自分が小学校に上がったタイミングで母親がこう言い放った。

 

あなたはもう小学生になったのだから、自分のことは自分で責任を取りなさい!」と。

 

だから、うちでは小一デビューが当たり前だった。6歳で世界に放り出されたわけだが、もちろん実際路上に放りだされたわけではない。ただ、幼稚園の頃と違って、親の干渉が極端に少なくなったのは事実だ。その後、様々な人生の難局もあったが、基本自分自身で全て判断してきた。

 

そして、うちの母親はこうも言った。

世界中の人たちがあなたの敵に回っても、私だけはあなたの味方だから。」と。おそらく、この両輪があったからこそ今まで自分はやってこれたのだろう。自由である責任と、無償の愛をしっかりと受け取ったから、無事やってこれた。

 

ちなみに少数民族たちの世界デビューも当然早い。何しろ人数が少ないのだから、子供でも貴重な戦力だからだ。庇護される猶予などない。ピダハンは3歳、ヘヤー・インディアンでも3、4歳から木の実などを取る係となる。

 

最近とみに子供を子供扱いする弊害が目に付く。

親と子供のエネルギーの奪い合いだ、本当に無駄な戦いだと思う。

 

子供が生まれた瞬間から、全くの別人格であり、別の個人だ。」という認識があれば、ほとんどの人の人生はうまくいくのではとすら思ってしまう。

 

読書の秋に紹介した本の数々をお読みいただけると幸いです。