一言で言うと、潜在意識すげえ!
3年間も原因不明の死をも覚悟した腰痛に悩まされた作者が、文字通り「指一本触れられず」心療内科で治療を受けて完治するノンフィクションだ。
有名な作家だけに、その腰痛の描写は本当に凄まじく、それがまさか心因性とはにわかに信じられない話だ。作者自身も「心因性」との診断は当初は一笑に付していたが、3年間死ぬ思いをして、あらゆるゴッドハンドの施術を受けても効果がなかったので、最後の希望を命の恩人となる平木先生に託したのだった。
自分の潜在意識を敵に回すと、とんでもないことになるのがよくわかる話だ。
エリクソンのように患者さんの潜在意識を味方に付けて、数々の奇跡を起こすこともできるし、夏樹静子さんのように敵に回して、地獄の苦しみを3年間味わうこともできる。
あらゆる全ての病気はもしかしたら、心因性と言えるかもしれない・・・・言えないか。しかし、「病は気から。」というように毎日ポジティブに生きて、夏樹さんのように過度のストレス、さらに仕事をし過ぎなければ大丈夫だろう。
自分自身、ぎっくり腰を3回やったことがあるので、ものすごい腰の痛みというのはよく理解できる。しかし、それが潜在意識で引き起こすことができるとは、本当にすさまじい。あれだけの痛みを引き起こすことができるのであれば、確かにエリクソンのように全身麻痺の人をものの五分で立たせて歩かせることも可能かもしれない。
人間は自分たちが思っている以上に巨大な力を手にしているのかもしれない。あとはそれをいかに使いこなすかだろう。