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旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

リラックスCS60の開発秘話。

1. リラックスCS60が生まれた経緯

直接のきっかけは、今年の1月に第二回のインド施術会で西村先生と話したことだ。がんのお客さんを施術するときに、あまりの痛みでそのお客さんが耐えられそうにないので、病院に行って麻酔注射をしてもらってから、その方の施術をしたとおっしゃっていた。

 

いやー、痛みがでないから、ススッと施術が出来てよかったよ!」と満面の笑みでおっしゃっていた・・・・痛み、必要ないのかよ!と思ったが、逆に可能性を感じた。

 

施術初期は、誰でも痛みが出る箇所を狙って施術をする。むしろ、どこをどうやったら痛みが出て、それによっていかに症状が改善するかに集中する。自分もそうだったし、他の施術者もそうだろう。

 

よく誤解をされている方が多いが、CS60を擦る強さなどは、痛みを引き出す上では重要ではない。正しく扱えば、置くだけで痛みは出るし、実際何人もそのような方達を施術してきた。

 

2. 麻酔以外での痛みを緩和する方法としてのヒプノセラピー

お越しいただくお客様に毎回病院に行って麻酔注射を打ってもらうわけにはいかないので、それ以外で痛みを緩和する方法として催眠、いわゆるヒプノセラピーに目をつけた。

数冊本を読んで、半信半疑ながらヒプノセラピーをしてからCS60の施術をしてみたら、ほぼ100%の人たちに効果があった。自分でもびっくりした。

始めてから数ヶ月の間は、ただ催眠誘導を行い、暗示をかけ、施術を行うというものだった。またヒプノセラピーのマンツーマンコースにも通い、さらに腕を磨いた。

 

その段階だと、痛みは和らぐが、「気持ちがいい!」「パラダイス!」という領域にはまだまだ遠かった。

 

3. エリクソン流の催眠療法

自分自身のヒプノセラピーのさらなる発展のために情報収集すると、ミルトン・エリクソン心理療法に興味を持った。彼の哲学は、「人は元来、自分自身を癒す力を備えているので、彼らを信頼して、その癒しの手助けを手伝えばいい。」というものだ。日頃、西村先生がおっしゃっていることと相違ない。

 

西村先生はシンプルに「細胞の力はすごい!」と。(いつも思うけど、説明が雑!)

 

ヒプノセラピー、あるいは催眠と聞くと、なんだか小手先のテクニックで人を騙して、自分たちのいいように扱うというイメージが強い。しかし、エリクソンが提唱しているのは、そんなものではない。彼の深遠な哲学、思想に心打たれた。

 

サロンに来る人たちの癒しの力を信じて、それをヒプノセラピーでうまく引き出し、CS60をかけることによって、実際に癒していく。そのプロセスにおいて出てしまう痛みもヒプノセラピーによって取り除かれ、とてもリラックスした状態で施術を受けられる。

 

ある意味、理想的な施術と言える。

 

西村先生が代官山で行った講演で、「松岡さんの施術は日本一痛いから。日本一痛いということは世界一だよ!」と揶揄されたのが、嘘のようである。(確かに自分でも置くだけで痛いと言われて、どうしたものかと悩んでもいた。)

 

4. 人間が持つ偉大な癒しの力

 

エリクソンの「アンコモンセラピー」という本の最後のエピソードが象徴的だ。

 

とあるプロイセン系のドイツ人が脳卒中で倒れ、一命は取り留めたものの、そのあと全身麻痺で口も聞けず、車椅子生活になった。倒れてから1年間、誇り高きプロイセン民族出身の彼は妻や周りの方々からの献身的な看病を受けた。

 

ただ、それが彼のプライドを著しく傷つけ、その1年間で彼は多くの自分自身への怒りという感情をため込んだ。

 

エリクソンのところに診察に来た時、エリクソンはそれを見抜き、彼にこう言った。「お前は本当にくその役にも立たないナチ野郎だな!」と。続けてあらゆる罵詈雑言を吐き、それでもお前は明日ここに戻ってこないとだめだ。そして、「来るか?」と彼に聞いた。

 

そしたら、その誇り高きプロイセン系のドイツ人である彼は、口がきけないはずなのに、「いやだ!」と言って怒りのあまり車椅子から立ち上がって診察室から出て行ってしまった。

 

1年前の脳卒中で全身麻痺となり、口がきけないはずの人間がだ。

 

他にも多くの信じられない事例が記録されている。そのどれもが人間の持つ偉大な癒しの力の証明になるだろう。

 

エリクソンの真髄はその魔法のような催眠の技術にあるわけではなく、このようにあくまでその人の人柄を見抜き、適切なやり方で治療を行う。催眠を使う場合もあるし、使わない場合もある。メソッドは重要ではない。

 

あくまで個人に寄り添った治療方法だ。

 

5. リラックスCS60のこれから

今では、多くのかたに「施術が気持ちいい!」と言われ始めている。阿鼻叫喚の地獄絵図だった目黒のサロンが嘘のように静かになった。果たして、これが正しいやり方はどうかはわからないし、従来の方法での施術も当然行っている。

 

それこそ、その人に合ったやり方であればいい。もしかしたら、言葉ひとつでその人は癒されてしまうかもしれないし、常にお客様に寄り添う姿勢はとても重要だ。

 

ただ、今後はこのやり方をより強固なものしていき、さらに他に違う方法があるならば、それも追求していくつもりだ。

 

日本一痛いCS60の施術者であり、日本一気持ちのいい施術者でもある。

まずはそれを目指していこうと思っている。(日本一痛いのはすでに達成していますが・・・・)