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旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

変容の時代:世之介と田岡一雄について

この間、サロンにお越しいただいたお客様に「CS60を辞めるとは、すごい決断ですよね。」と言われた。その時、「はて?」と思った。一瞬経ってから、「ああ、そんなもの使っていたなあ。(遠い目)」という感じになった。

 

それくらい距離感がある、CS60とは・・・・今となっては、全く興味を感じない。

 

今、月一回行っている研修を終えた方々対象の「継続会」では、もはやCS60を持って来る人もいない。皆様、ご自身の手を使ってそれなりに効果をあげている。

 

ずいぶん遠くへ来たものだと思う。

全然違うステージへと知らない間に来てしまったらしい。

 

ただ施術に関しては、いきつくところまで来てしまった感がある。だから、もっと自分自身に対しては、違った負荷をかけて、さらに遠くへと行こうと試みている。

 

そんなこんなで、「横道世之介」を読み返した。なんなら、ついでに続編も読んだ。

 

 

吉田修一の作品はデビュー当時から読んでいるので、かれこれ20年ぐらいは読み続けていることになる。あまり小説を読み返すことはないのだが、世之介はまた再び読んでみたくなった。

 

一見、ダメ男な世之介だが、「完全なる善の人」である。これが実際の世の中にはいそうでいない。全く描かれ方は違うが、任侠の人、田岡一雄の娘さんが書いた本と共通するなと思った。

 

山口組三代目と世之介を比べてどうすると我ながら思うが、そのブレなさは共通している。世之介の方が100倍くらいカッコ悪いが、実際の人間なんてそんなものだ。そこが逆に人間らしいところでもある。

 

彼らに共通しているのは、まずは「他の人」ありきなところだ。人として譲れないところは譲らないが、首尾一貫して人のために尽くすところがある。(世之介は人のためにと思ってやっているのではなく、ただそうだと思うから行っている分、ナチュラルなのかもしれない。)

 

人間、口では偉そうなことを言っても、行っていることがしょぼいことが多々ある。それに行っていること自体が特に立派でなくてもいい。周りの人々にも少しでもプラスな存在であれば、世の中はうまく回っていくのだろう。

 

これからいくつのことが成し遂げられるかはわからないが、まずは打席に立たないと意味がないので、これからも多くの打席に立っていきたい。(とは言いつつも、ちょいちょい海外に遊びにいこうとは思っています・・・・遊びにいっても世話に明け暮れるかもですが。)